ホーム > > インタビュー

インタビュー

フォト・ライター 野寺夕子さん

「8人の作品と触れ、私の世界も広がりました」。
同写真展は3月6日(日)までランダムに計16日間開催。
詳細は京都シネマへ。TEL:075(353)4723。
ブログ(http://anatanitutaetai77.blog94.fc2.com/)もあり

「写真とも、写真家とも対話してもらいたい」

京都シネマで催されている「スクリーン・ギャラリー」。映画館のスクリーンで写真を映し出す試みです。企画者で自身も写真家の野寺夕子さんの思いとは。



臨月を迎えた女性たちのヌード、76人の遺影など、これまで「生きるということや、生と死をさりげなく見つめながら」写真を撮り、言葉を紡いできた野寺夕子さん。

「スクリーン・ギャラリー」は、友人であり京都シネマ代表の神谷雅子さんから「映画館で写真展をしませんか?」と提案されたのがきっかけ。「私は、フィルムで撮り印画紙に焼く。デジタルの世界といわば対極にいる人間。でも、映画館という閉鎖された空間で、DVDを使って写真を次々に見せることは、印画紙の展示とは違う面白さや可能性がある、とも素直に思いました」

“ひと肌”を大切にしたい

今回は自身の作品を展示するのではなく、8人の写真家を招待しました。「私が一人推薦し、あとは、私をよく知り、私も信頼しているギャラリーや知人に企画書を渡し、推薦してもらった」と。その企画書にはじまり、写真家とのやりとりなど、書類はすべて手書き。傍らには企画内容がびっしり書き込まれたノート─。様式にとらわれない書面に野寺さんの人柄がにじみ出ています。そうして集まった写真家たちのテーマは、「戦争」「家族」「介護」などさまざまですが、野寺さんが大切にしてきたテーマ「生と死」につながります。

写真家のトークや対談なども予定。「人間のあいまいさやあったかさ、“ひと肌”を伝えたい。画面に映し出される写真と対話するように向き合い、この人がこういう思いでこの一枚を撮ったのか、と写真家本人とも対話できるような、濃密な時間にしたいのです」

(文・正垣民 

このページのトップへ