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インタビュー

プロダクトデザイナー ナカジマミカさん

京町家コースターは「子持ち格子」「算くずし」「茶室畳」「香の図」「澆花亭」の5種。
デザイン画はコンペサイトhttp://www.kyomono.jp/でチェックを。
これから商品化に向けての計画が始動します

現代生活の中で楽しめる形で、伝統技術を残したい

京都の伝統工芸技術を活用した商品デザインを競う「新ものづくり創造コンペティション」。京都府知事賞受賞の、ナカジマミカさんに話を聞きました。



受賞作品は「京町家コースター」。「格子戸や障子、欄間、畳など、京町家を構成する印象深い意匠をモチーフにした、北山杉やヒノキで作られたコースターです」とナカジマさん。「今回のコンペのテーマは“ギフト”でしたので、日常的に使えるもの、コンパクトで外国にも持って行けるものを念頭に置きました」

一度離れて再発見した京都の魅力

生まれてから大学卒業までを京都で過ごしたナカジマさんは、その後大阪でデザイナーとしてキャリアを積んだのち、数年前から再び京都に移住。そこであらためて感じたことがあるそう。

「若いころは京都に特に興味はなくて。でも一度外に身を置いたせいもあるのか、京都の街の面白さを再発見しました」 伝統工芸品店など古くから続く店の数々、昔ながらの町家群が残る路地、古い建物を活用したカフェ…。「街を歩くだけで、博物館に行くのと同じくらい楽しめますよね」とナカジマさん。

このコースターは、“町家”という古くからのモチーフを使いつつも、モダンな雰囲気。「コンペは製品化が可能なことも条件だったので、欄間や障子の意匠に使われる“組子細工”の技術で実現するというアイデアも提案しました」とのこと。

「今は欄間がある家は減っていますが、それを作る技術が途絶えるのはとてももったいないこと。今回のコンペでは、モノをデザインするうえで、使う人の生活が豊かになることはもちろん、伝統技術を現代の日常生活になじむ形で残すということも、デザイナーの使命だと感じました」

(文・橋本美代 

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