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朝ごはんを通して、地域が、人がつながっています
隔週日曜の朝は「南太秦ふれあいサンデーモーニングカフェ」

人とのつながりの大切さを再認識させられる昨今。右京区では、“モーニングカフェ”という、地域の人と朝食を共にする場を通してつながりを深めようという輪が広がっています。今回はその先がけとなった南太秦学区におじゃましました。



授産施設「京都市うずまさ学園」から購入する食パンは生地の甘みたっぷり。好みでマーガリンを塗ったり、砂糖をかけてどうぞ

毎月隔週の日曜日、午前9時~11時。住宅街の一角にある南太秦小学校のふれあいサロンで、「南太秦ふれあいサンデーモーニングカフェ」が開かれています。

記者が顔をのぞかせると、「おはようございます!」というスタッフの笑顔とあいさつが心地よく迎え入れてくれました。部屋を包み込むパンとコーヒーの香ばしい香り。高齢者や主婦、子どもに大学生、次々とお客さんが増え、9時過ぎには30席ほどあるテーブルがほぼ満席という盛況ぶり。パンを焼くスタッフも大忙しです。

ここでは、トーストとゆで卵、コーヒー(またはジュース)のセットが100円で提供されています。それぞれおかわりができるので(有料)、長居も大丈夫。食料の持ち込みも可能です。

あたたかい居場所が独居世帯の支えに

お世話役の高岡宏行さん。「初めての参加や一人で来られる方には自分から話しかけて、少しでも場を楽しんでもらえるよう心がけています。学区外の方も気軽に来てくださいね」

2009年から始まったこの取り組みは、自治連合会をはじめ、社会福祉協議会や女性会、体育振興会など地域の16団体が持ち回りで運営しています。

「ここ南太秦学区は、住民6000人のうち1000人が65歳以上と高齢化が進んでいます。独居世帯も増えるなか、地域振興のきっかけとしてモーニングカフェをやってみようということになったんです」と話すのは、同学区の自治連合会長の高岡宏行さん(68歳)。

「一つでも多くの団体が運営にかかわってもらえるよう声をかけたり、バザーの余り物の食器を利用して経費を節約したり。運営に協力いただく方々に楽しんでもらいながら、負担がかからないようにすることが長続きの秘訣(ひけつ)です」と、熱い思いで場を見守っています。

 

カフェがあるからつながりやすい

【写真左】一人で、夫婦で、孫を連れて。それぞれが近況を語り合ったり、趣味の話題で盛り上がったり…。あちらこちらで笑い声がたえません
【写真右】右からスタッフの藤井泰子さん、福井登志江さん、山本保美(やすみ)さん、藪田由紀さん。「担当グループによって、毎回スタッフの顔ぶれが違うのも新鮮です」


グラウンドゴルフのサークル仲間と参加していた木村博次さん(77歳)は、このカフェの常連さん。

「友人とちょっと話したいときにお互いの家を行き来するのは何となく気が引けます。そんなときも、モーニングカフェで待ち合わせればOK。道で知り合いとすれ違っても“また日曜に顔が見られるね”と、話しかけるきっかけにもなります」とニッコリ。今年からは体が不自由な人の自宅への送迎も始まり、「モーニングカフェ」という一つのつながりがさらなる交流の機会を生み出しているようです。

南太秦小学校(京都市右京区太秦前ノ田町22)。モーニングカフェの開催日程は毎月回覧やポスターにて告知されます。

問い合わせは、高岡さん=TEL:075(881)4688

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