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ソボクな疑問がいっぱい!甘いものと辛いものの謎を探る”

ソボクな疑問がいっぱい!甘いものと辛いものの謎を探る

お菓子やケーキなど、砂糖を含んだ甘いものと、カレーやマーボー豆腐など、スパイスが効いた辛いもの。どちらも、ムショーに食べたくなるときがありませんか? これらが持つパワーや不思議について、専門家に話を聞きました。イラスト/かわすみみわこ

疲れたとき、甘いものがいいのはナゼ?”

“激しい運動をしてグッタリ”“会議で長時間頭をフル回転させてヘトヘト”。こんなとき、甘いものが欲しくなるのには理由があるとか。
「体を動かしたときも、頭を使ったときも、ブドウ糖がエネルギー源として消費されます。その結果、ブドウ糖が不足すると、脳や筋肉が糖分を欲しがるんです」(京都府栄養士会・管理栄養士・田口邦子さん)。ちなみにブドウ糖は、砂糖以外に米やパンにも主な成分であるデンプンの構成成分として含まれているので、これらを食べた場合、ブドウ糖に分解された後、吸収されます。「それに比べ、砂糖は吸収されるのが早いので、疲労回復の即効性があります」。甘いものを食べたときのスーッと疲れが取れるような感覚は、このためだったのですね!

子どもが甘いものを好きな理由とは?

ところで、子どもは大人よりも甘い味が好き。あれはどうして?
「糖分には、血糖値の維持やエネルギーの増強といった働きがあり、生きる上で欠かせません。こうした情報は生まれながらに備わっているので、子どもは、甘みが安全な好ましい味であると無意識に感じているのです」(京都大学農学研究科教授・伏木亨さん)

糖化ってどんな状態?
「糖分を取りすぎると、余分な糖が体内のタンパク質と結合し、AGEという老化促進物質をつくります。このプロセスを糖化と呼びます」(八木さん)。ちなみに、血管や内臓、骨、肌など、体の主要な組織はタンパク質でできているので、糖化は体のあちこちで起こる危険性があるというわけ。糖化が起こると、組織が劣化し、動脈硬化、糖尿病合併症、認知症、骨粗しょう症、肌トラブル…など、さまざまな弊害を生みます。

糖分の取りすぎは、骨や肌の衰えといった「老化」とも関係している!?同志社大学生命医科学部 アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一さんと八木雅之さんに話を聞きました。



  • 食べ過ぎない
  • 適度に運動する
  • よくかんで食べる
  • 食事では、まず野菜類や
     海藻類を食べる
    (血糖の急上昇を抑えたい)
  • 間食は控えめに
    (食後高血糖の回数を減らしたい)
  • 市販のドレッシングやお菓子など
     によく含まれている「異性化糖」
     の摂取を控える

糖化を防ぐには?
では、糖化を防ぐためには、どうすればいいのでしょう?  「毎日の食事に気をつけましょう。『血糖値が急上昇しない食べ方』『血糖値が上がる頻度を減らすこと』を、若いうちから心がけることが大事です」(米井さん)。具体的なポイントを左の表にまとめました。  「このほか、カモミールやドクダミといった薬草類も、糖化を抑制する働きがあると発表されています」

夏は冷たい飲み物がおいしいですが、清涼飲料水を飲みすぎると糖分過多になる場合も。
 「市販されているスポーツドリンクには、500mlのペットボトルの中に約30gの砂糖・ブドウ糖が含まれています。これは、スティックシュガー10本分に相当。炭酸飲料だと、500mlのボトルに15~20本程度入っているものもあります」と、糖尿病専門医の「吉政医院」院長の吉政孝明さん。こうした飲み物を、「肥満ぎみ」「家族に糖尿病患者がある」など、糖尿病になりやすい体質の人が短時間で大量に摂取したとき、危険な状態に陥る「ペットボトル症候群」になるおそれもあります。
 「血糖値の急上昇により、インスリンの働きが低下し、糖質の代わりに脂肪を分解。脂肪酸からできるケトン体という物質が増加し、血液が酸性化する結果、ひどいときは昏睡状態になることもあるんです」と吉政さん。健康な人がなるものではありませんが、糖の取りすぎには気をつけたいですね。

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