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質問

高齢の母親は遠方でひとり暮らし
介護費用は、どれくらい準備を?

京都府 夫50歳(会社員) 妻47歳(パート)

85歳になる夫の母は、北海道でひとり暮らし(年金)をしています。先日、自宅で転んでケガをし、1週間ほど入院。一時的に妻が帰省して介護にあたり、無事に回復しました。この先、夫の仕事の都合上、北海道に帰ることは望めませんし、高齢の母を見ず知らずの土地に呼び寄せることも考えられません。この状況下で、実際に母が介護状態になった場合、どれくらいの資金を準備しておけばいいのかアドバイスをお願いします。

母親の希望を聞きながら
介護施設の費用などを調べておく

ご主人は、これまで、ご姉妹の学費の工面や、実家へ仕送りをされてこられたとのこと。責任感のある立派な方ですね。さぞ、離れて住む母親のことを、心配されておられるかと思います。

介護の方法には、自宅にいながら訪問介護などのサービスを受ける「在宅介護」と、施設などに入所して介護サービスを受ける「施設介護」があります。

在宅の場合、介護状態の軽い「要支援1」~重度の「要介護5」のいずれかに認定されると、月額約5万~36万円を限度とした介護サービスを利用できます。自己負担は、その1割程度。ただし、公的介護保険の範囲内で在宅サービスを受けながらひとり暮らしを続けられるのは、要介護3が限度ともいわれています。介護度が重くなり限度額を超えたサービスを受けると、超えた費用については全額自己負担に。1カ月の自己負担額が40万円にのぼるケースもあります。

施設の場合、比較的安価な費用で入ることができる特養ホームから、高額な有料老人ホームまで、その種類は多様化、複雑化しています。入居金が不要で、ひと月8~15万円程度(介護度、所得、部屋タイプなどにより異なる)の負担ですむ特養ホームは、全国的に待機者が多く、数年待ちも当たり前というのが現状です。有料老人ホームの場合、入居金0~数億円、ひと月13万~30万円など施設によってかなり異なります。

そもそも、親御さんに対して金銭面でどれくらい支援できるのかは、自分たちの老後の資金計画も含めて考える必要があります。それを踏まえた上で、特に、施設介護に備えて、お母さまの居住地域にどのような施設があるのか? 施設の雰囲気やサービス、待機状況、入居にかかる費用など、今から、お母さまの希望も聞きながら、少しずつ調べておかれてはいかがでしょうか。

【回答者】
ファイナンシャルプランナー
薮内 美樹

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