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西京区の魅力、ぜ〜んぶ手書きで伝えます

小学校時代につくった人も多いであろう「壁新聞」。東日本大震災では避難所に掲示された、地元の新聞社や子どもたちによる壁新聞が、被災者の心を支えたというニュースもありましたね。西京区では区内にある京都市立芸術大学の学生と、地域の人たちをつなぐ目的で壁新聞づくりが行われています。

取材を終え、紙面構成やイラストのタッチを検討中。持ち寄られたイラスト案や、昨年の作品を見ながら話し合います


西京区、地域の自治会、京都市立芸術大学が連携して行う、壁新聞づくり「西京魅力探訪」が始まったのは昨年のこと。西京区にある学区地域を学生たちが取材し、自然環境など、その魅力を新聞で伝えるという内容です。

昨年に引き続き、同大学ビジュアルデザイン研究室教授の辰巳明久さんが、この取り組みに協力。辰巳さんのゼミの4回生15人が参加しています。

「このプロジェクトから学生たちが学べることは、とても多いんです。4回生は卒業したら社会へと巣立っていきますが、『職業人=社会人』ではないと私は思います。地域で人とともに暮らしてこそ社会人。壁新聞づくりを通して、自治会の方々など人生の先輩に学びながら、そうしたことを感じてほしいですね」と辰巳さん。

そして、学生たちに与えられた課題はもう一つ。

「ここは芸大。とにかくクオリティーの高いものをつくることが大事だと思っています。うちのゼミの学生の多くは編集・デザインの仕事を志望しているので、実践力をつける意味で、私からは2つ注文を出しています。一つは、文字もイラストも手書きにすること。もう一つは、手書き文字は縮小コピーをしても拡大コピーをしても、読みやすい字で仕上げること。これ、意外と簡単じゃないんですよ」

驚きや発見をデザインに込める

昨年、西京区役所で掲示された壁新聞。桂学区、樫原学区、大枝学区が紹介されており、その完成度の高さに足を止めて見入る人も多かったそう(提供/西京区役所)

今年、壁新聞で紹介されるのは、桂川と大原野。学生たちは2班に分かれて、新聞のテーマ決めや取材を行ってきました。

「桂川のテーマは『今と昔』。この学区には町の歴史に詳しい、昔からここに住む人たちと、この町に越してから日が浅く、お気に入りのお店を開拓しながら楽しむ人がいます。両者の暮らしを紹介しながら、お互いが興味を持ち合えるような紙面にできれば」と本田陽香(はるか)さん。

「大原野は面積が広いので、自治会長さんに話を聞きながら、テーマを絞り込むところから始めました。そして『食』をテーマに、と決まりました」と斎藤真名さん。

「大原野の魅力は、その自然環境や、都会にない時間の流れ方と、地域の方がよその人にも温かく接してくれるところ。こうしたことを、特に若い人たちに経験してほしいと思ったので、紙面のデザインも若い人たちを意識しながら考えてます」と西尾敏宏さん。

そんな学生たちの驚きや発見が詰まった壁新聞は、12月12日(月)~2012年1月6日(金)に西京区役所に掲示されます。大原野東境谷町にある支所では、2012年1月16日(月)~24日(火)に掲示。いずれも1階ロビーで、午前8時30分~午後5時。
問い合わせは、西京区役所まちづくり推進課=TEL:075(381)7197=へ。

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