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インタビュー

映画監督・京都精華大学客員教授 石岡正人さん

「映画では、街を歩きながら杉井さんを取材する場面が多いんですが、
あれは、座りながら話すより、そのほうが本音を引き出しやすいと気づいたからなんです(笑)」。
7月28日(土)より、京都みなみ会館で公開    撮影/山﨑晃治

「今までと同じじゃダメ」その危機感に刺激を受けた

7月下旬に公開予定の映画「アニメ師・杉井ギサブロー」。監督の石岡正人さんに、同作品誕生のエピソードや、作品に込めた思いについて聞きました。



「鉄腕アトム」「まんが日本昔ばなし」「銀河鉄道の夜」「タッチ」―。

10代のころから50年以上アニメ制作に携わり、今年の夏にも新作を発表する杉井ギサブローさんの足跡に迫るドキュメンタリー「アニメ師・杉井ギサブロー」。この映画は、4年前に石岡さんが京都精華大学マンガ学部アニメーション学科の客員教授に就任したことを機に生まれました。

「かねてから交流があった杉井さんにお声がけいただき、精華大で教えることになったんですが、当時の僕はアニメの専門知識があまりなくて。日本のアニメ史について勉強する中で、杉井さんの影響力の大きさを知りました」

中でも刺激を受けたことの一つが、「杉井さんは『今までと同じアニメを作っているだけではダメ』といった危機感を常に持ち、次々と新しい作品を生み出していたということ」。

「彼の危機感が日本のアニメの可能性を広げてきたように思い『映画にしたら面白いのでは』と取材を始めました」

未来の作り手への希望を託して

今回、映画の製作や宣伝には、京都精華大学の卒業生や在校生が数多く参加しています。

「今後、クリエーターとして活躍していこうとしている人たちが映画ビジネスを知る機会になればと思って」と石岡さん。これまでの映画監督としてのキャリアの中でも、とりわけ「人材を育てる」という点に主眼を置いた作品づくりだったようです。

「エンドロールの演出にも、未来を担う人たちへの思いを込めました」

(文・佐竹香苗

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