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コレ読んで!

京職人ブルース

文・米原有二 絵・堀道広 京阪神エルマガジン社・1296円

美しい工芸品につまった作り手の思いとは

今も数々の伝統工芸の技が残る京都。普段の暮らしの中でも、京漆器や京焼、友禅などと出あいますが、作り手のこととなると知る機会は少ないものです。

本書には、宮殿師(くうでんし)、鎚起師(ついきし)、鬼師(おにし)など、耳慣れない職種も登場します。とはいえ、これは職人さんの詳しい仕事のガイドではなく、魅力は著者の米原さんの“職人技”ともいえる聞き取り取材で浮かび上がった、職人さんの悲喜こもごもの素顔、こぼれ話にあります。温度や湿度との戦い、消えゆく道具、体力・精神力を要する地道で緻密な作業。

美しい工芸品の奥に流れるブルースに耳を傾けてみてください。

【紹介者】
古書ダンデライオン 中村明裕さん

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