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試写室・劇場から

小野寺の弟・小野寺の姉

10月25日(土)からMOVIX京都、T・ジョイ京都で公開

©2014『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会

姉と弟の距離感がとてもイイ!日だまりの温かさを放つドラマ

すでに舞台劇にもなったこの物語、しかしまあ、片桐はいりと向井理という組み合わせをよく思いついたものだなあと感心した。意外なようで、妙にしっくりくる。ご近所にもいそうな姉弟が繰り広げる日々の小さな騒動と、恋のてん末に親近感を覚えながら、特にコメディエンヌ・片桐はいりに目を奪われた。

20年以上も前に両親を亡くした小野寺より子と弟の進は、昭和の香りがする一軒家で、けっこう仲良く暮らしている。いっしょにスーパーに買い物に行き、いっしょにご飯を食べながら、ボケとツッコミの漫才のような会話を交わす。そんなある日、配達のミスで一通の手紙が小野寺家に届いたことから、二人の生活に変化が訪れ…。

うまくいっている家族や恋人同士に欠かせないのが、お互いを思いやる距離感なのだと実感!

あることが発覚して、より子が一人で号泣するシーンがあり、見ている方も胸がキリキリ痛むのだが、外から帰ってきた進は、それに気づいても知らんふりをする。姉が受けた傷を無理やり開こうとはしない。世間的にはとても不器用な二人だけれど、やわらかな心を持っているなと思う。

脚本家としてめきめきと頭角を現し、本作の原作小説も書いた西田征史が初監督。共演は、及川光博、山本美月ほか。

(ライター 宮田彩未 

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