ホーム > > 試写室・劇場から

試写室・劇場から

【試写室から スペシャル】 年末年始の注目映画

この時期、ゆっくりじっくりと映画館で時を過ごしてみては?多様なジャンルからよりすぐった3本をご紹介します。皆さまにさらなる映画の幸が届きますように。(ライター 宮田彩未)

演劇ドキュメンタリー

ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古

2015年1月3日(土)から京都シネマで公開

©Brook Productions / Cinemaundici / ARTE France – 2012 All Rights Reserved

巨匠の創作現場に侵入!

シンプルな舞台装置から生み出される豊かな劇的空間。ピーター・ブルックは世界の演劇人から尊敬を集める演出家である。この映画は、彼の作品では常連の笈田(おいだ)ヨシや、音楽担当の土取利行のほか、さまざまな国籍を持つ俳優たちを集めたワークショップの様子をつぶさに描いたもの。とりわけ印象的なのは、架空のロープをサーカスの綱渡りのように渡るタイトロープのエクササイズ。俳優それぞれの想像力がどのように身体と一体化し、見る者にリアル感を与えられるか。1925年生まれの名匠の前で演じる俳優たちの緊張感がこちらにも伝わってくるとともに、演劇論を超えた人生哲学としても非常に興味深い内容だ。監督は息子のサイモン・ブルック。

サスペンス&アドベンチャー

トラッシュ!-この街が輝く日まで-

2015年1月9日(金)からTOHOシネマズ二条で公開

©Universal Pictures

少年たちの命がけのリベンジ

ブラジルのリオデジャネイロ郊外、ゴミを拾い集めて暮らす3人の少年がいた。親も学校も明日への希望とも縁のない彼らだが、生きるためのたくましさだけは持っている。だが、一つのサイフを拾ったことから、思いもよらぬ事態に。サイフのゆくえを追う警察や社会の黒幕と戦わねばならなくなるのだ。知恵を絞り、体を張って、命をかけた冒険へと繰り出す少年たちの輝きがスクリーンに刻まれ、思わず「ガンバって!」と応援したくなる。スティーヴン・ダルドリーが監督、リチャード・カーティスが脚本を担当。ビデオを使った見せ方や暗号解読の展開、リベンジの爽やかさもイイ! 名優マーティン・シーンのほか、ルーニー・マーラが少年たちを支える役柄で出演。

ラブストーリー

あと1センチの恋

12月27日(土)からMOVIX京都で公開

©2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

友情と恋の間をさまよう男女

距離が近すぎて恋心を意識できないのに、なぜか気になる…そんな異性の友だちがいる人なら、とても共感してしまうのがこれ。イギリスの田舎町に暮らす幼なじみのロージーとアレックスは、相手がずっと自分のそばにいるのが当たり前というような関係だったが、すれ違いばかりを繰り返していく。記憶の定かでない初キス、他の人との間にできたロージーの子ども、アレックスの渡米…。彼らが恋愛関係になるための要素はどんどん失われていくかに見える。そんな二人の気持ちを濃密に描き、感動的なラストへと導いたのは、クリスチャン・ディッター監督。リリー・コリンズとサム・クラフリンが、合わせ鏡のような若い男女の像を鮮やかに表現している。

(ライター 宮田彩未 

このページのトップへ