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キャストは地元住民ら29人、久御山町が舞台の映画が生まれます

映画を見たり、本を読んでいるときに、知っている場所が登場したら何だかうれしい。そんなことってありませんか。久御山町では、地元出身の映画監督・清水浩さんが町を舞台にした短編映画を製作する企画が進行中。12月に「イオンシネマ久御山」で上映されます。

「はい、オッケーです」。東一口(ひがしいもあらい)にある川べりのJA倉庫の前、映画「リセット」を撮影中の現場に清水さんの声が響くと、スタッフたちが次のシーンの準備にと動きます。

これは、「イオンシネマ久御山 短編映画ワークショップ」の最終段階の映画撮影の1コマ。この企画が生まれたのは、今年の1月、清水さんと、「イオンシネマ久御山」総支配人の竹田泰彦さんが出会ったことがきっかけでした。2人で映画について語り、意見交換をするうちにアイデアが出てきたのだそう。

久御山町の全面協力も得て、具体的にプロジェクトが動き出したのは夏。8~9月に、プロ・アマチュアを問わず出演者を募集、小学生から70代の人まで約30人が集まりました。ほとんどが演技初心者で、週末ごとに1回4時間のワークショップを計5回受講。10月末からスタートした撮影に臨みました。

製作したのは2本で、「花」と、取材時に撮影中だった「リセット」です。2チームに分かれ、それぞれ2日間かけて撮影されました。

いずれも冒頭はラジオが流れていて「今日はハロウィーン」とDJが話し出すシーンで始まります。「花」は〝死後の世界から帰ってきた人と会えたなら〟、「リセット」は〝あの時に戻れたら〟という、〝もしも〟のストーリー。脚本も清水さんが手がけ、ワークショップで見えてきた出演者の個性もいかしています。

想像力をかきたてられる作品に

「リセット」に出演する岡井良太さんは小学校の先生で、この企画を知った校長先生にすすめられて参加することに。「めったにできない経験なので楽しいです」とニッコリ。

生花店を経営している石川潤さんは、これまでも地元を盛り上げる活動に積極的にかかわってきたのだとか。ワークショップに参加してみて、監督が自由に演じさせてくれるのが意外だったと石川さん。「演じていても、どんなふうに完成するのかわからなくて。でも、それがかえって面白い」

その点を、清水さんは「僕自身が想像力をかきたてられる作品が好きなので、そうした雰囲気を持つものになりそうです」と話します。

また竹田さんは、「久御山町のPR映像という位置づけではなく、見た人が鑑賞後に『久御山町にこんなところがあったんだ』と興味をもってもらえたら」と今回の映画製作について思いを語ってくれました。

2人によると、このように映画館が監督とタイアップしてその地域の作品を作り、スクリーンで上映するのは珍しいそうですよ。

「花」「リセット」の期間限定上映(無料)については、12月上旬~約2週間を予定。ポスターやホームページで告知されます。問い合わせは、「イオンシネマ久御山」=TEL:075(633)0901=へ。

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