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初耳!祇園祭学

音楽

初耳度94%/おはやしのレパートリーは山鉾ごとに30〜40曲以上

祭り気分を盛り上げるおはやしの音色(写真提供/長刀鉾保存会)

長刀鉾の譜面。木村さんが60年前から使っているものです

「宵山や巡行などで演奏されるおはやしは、各山鉾のオリジナルで、それぞれ30から40曲以上のレパートリーを持っています」(木村さん)
現在おはやしを持っているのは12基。

「基本の楽器はかね・笛・太鼓の3種類。1曲の演奏時間は3~5分で、場面によって演奏する曲が決まっています。巡行で四条通を進むときはゆっくりとしたテンポの『奉納囃子』。四条河原町の交差点に入るとテンポの速い曲に変わり、3度行う『辻回し』では1回ごとにスピードアップしていきます。そして、北に方向転換すると、軽快な曲調の『戻り囃子』に替わるんです」

曲の間隔を、途切れることなく演奏するのも習わしだそう。
「おはやしは、代々の口伝えや昔の記録などが基になっており、山鉾町ごとに独自の方法で受け継がれています。私も囃子方ですが、他の山鉾の曲名や譜の読み方などは、ほとんど分かりません(笑)」

さまざまな違いを聞き比べるのも、祇園祭の楽しみのひとつになりそうですね。

生活

初耳度74%/祇園祭には〝ヒオウギ〟を飾る習わしがあります

祇園祭を象徴する花、ヒオウギ。市内に入荷されるヒオウギの約5割は、京都の宮津で栽培されたもの。反りが大きく生けたときの姿の美しさが特徴とか

ヒオウギはアヤメ科の植物で、葉の形が貴族の用いた扇に似ていることから、この名が付いたそう。
「祇園祭の期間、商家や宵山の『屏風祭』では、ヒオウギを生ける習わしがあるんです」と、京都府農林水産部農産課・笈田(おいだ)幸治さん。

「神話には、豊作をつかさどる神様が怒ってたたりをもたらしたとき、ヒオウギの葉で田を仰ぐと災いが去って大豊作となったとあり、古来よりヒオウギは厄よけの植物とされていました。祇園祭に飾るようになった由来は、祇園祭も厄よけの祭礼であるためなど諸説あります」

ですが、この習慣は商家の減少などで途絶えつつあると言います。そこで昨年スタートしたのが、祇園祭を象徴する花としてヒオウギを広くアピールしようという取り組み。京都府も参画する「京都府花き振興ネットワーク」で、京都府花商協同組合の青年部が中心となり、鉾町の協力を得て始まりました。

「鉾建ての時期から、会所や公共施設などでの展示を行います。みなさんも自宅に飾って祇園祭の伝統を身近に感じてほしいですね」

芸術

初耳度95%/鶏鉾と霰天神山のタペストリーは、もともとは1枚の作品でした

白楽天山と大津祭の月宮殿山・龍門滝山はもともとは同じタペストリー(写真提供/白楽天山保存会)

山鉾のまわりは、古今東西の懸装品で飾られています。それにしても、なぜ外国の意匠も多く使われているのでしょう。京都文化博物館の学芸員・橋本章さんに聞きました。
「手がかりのひとつが中世にはやった“風流(ふりゅう)”という概念です。風流とは、人をあっと驚かせ、楽しませること。当時の町衆はまず山や鉾をより大きくすることで、人々をビックリさせようとしました。そして、もっと驚かせるために、 “今まで見たことがない” 海外の珍しい美術品で飾るようになったと考えられます」

伝来した美術品は、山鉾の形に合わせて仕立て直されたそう。
「鯉山のようにタペストリーを9分割して周囲を飾ったり、大陸の官僚の衣服を前懸や水引にアレンジしたり。また、1枚のタペストリーが切り分けられて、複数の所有者に渡っているケースもあるんです」

それが、祇園祭の鶏鉾と霰天神山のタペストリー。さらに、これは滋賀県の「長浜曳山まつり」の鳳凰山とも同じものなのだそう。白楽天山と、「大津祭」の月宮殿山・龍門滝山が所有するタペストリーも元をたどれば1枚の作品とのこと。

京都文化博物館
学芸員・橋本章さん
「その時代の先端と最高峰を求めた山鉾の懸装品は、“風流”の精神も脈々と継承されていることが感じられます」

「仲買の商人がそれぞれの望むサイズに応じて裁断し、異なる買い手に販売したと思われます」
これらの懸装品は復元新調されて山鉾に飾られたり、会所飾りなどで見ることができるそうです。

知ってると、ちょっと楽しい小耳ネタ

初耳度77%/山鉾町の道路には、鉾建ての目印を示す石があります

「山鉾町の会所の前などでは、山鉾の定位置を示す礎石(そせき)が埋め込まれています」(橋本さん)。この礎石に柱を立て、山鉾は組み立てられていきます。普段でも見られるので、街を歩きながら探してみては。

初耳度60%/最も重く、背が高いのは「月鉾」

33基の山鉾のうち、最重量は「月鉾」約12トンで、続いて「函谷鉾」「長刀鉾」。高さでは「月鉾」約27メートル、「菊水鉾」「放下鉾」の順。ちなみに最も横幅が広いのは「南観音山」約4.5メートル。前後の長さは「函谷鉾」の7メートルが最長です(資料提供/祇園祭山鉾連合会)

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