ホーム > > 特集:社会・生活 > 使われていなかった宇治の民家と工場を、“集う場”に再生

使われていなかった宇治の民家と工場を、“集う場”に再生

JR「宇治」駅からも近い「宇治橋通り商店街」。にぎやかなこの通りも、一歩外れると打って変わって静かな町並みが広がります。そんなエリアに人を呼び込もうと作られたのが「中宇治yorin(よりん)」。レンタルスペースと3つの店舗が入った複合施設です。宇治に住む人、宇治を訪れる人が気軽に集える場へと育ち始めています。

中宇治yorin の周辺は駅や商店街のすぐ近くとは思えないほど静か

「yoriai」のリノベーション前の様子

約46.34m2の広さの多目的スペース「yoriai」

「中宇治yorin」が誕生したのは昨年11月のこと。JR「宇治」駅から「宇治橋通り商店街」へと進み、左折。そのまま歩くと、左手にスーパーマーケット、その向かいに民家が立ち並ぶ路地が見えてきます。一角にともる柔らかな明かりに誘われるように路地を入ると、そこが「中宇治yorin」です。

「宇治は人の行き来は多いのですが、にぎわっているのはメイン通りがほとんど。“中宇治”のように、少し奥まった場所にも人の流れをつくりたいと考えていました」とは同施設・プロジェクトチームの宮城宏索(こうさく)さん。宮城さんが言う“中宇治”とは、地図(上)の通り、縣(あがた)通、「宇治橋通り商店街」などで囲まれた三角形のエリアのことです。

理想としたのは、地元の人が気軽に集まって交流できる場、そして地元の若者も魅力を感じる場、さらには観光客も何度も通いたくなる場。

コンセプトに合う物件を探していたときに出合ったのが、1945(昭和20)年ごろに建てられ、空き家になっていた民家。奥には、2階建ての建具工場も残されていました。

空き家活用のためにも、これらを改修して新たな施設として再生させようと、2015年12月にプロジェクトチームを立ち上げました。
記者が気になっていたのが、施設名の“yorin”の由来。聞くと、4つの輪を意味しているとのこと。「地域全体の拠(よ)りどころのような存在に」「観光客がつい寄りたくなるような場所に」「撚(よ)り合わせる=いろんな交流がここで生まれる場に」「一つ屋根の下、テナント4つが響きあってすてきな文化の輪が広がっていく場に」という思いが込められています。

〝宇治をより良くしたい”そんな人たちが集まって

和風の民家の趣を感じられる「中宇治yorin」の外観。「yoriai」は、建具工場の2階のスペースにあたります

中庭スペースは吹き抜けになっていて、明るい光が差し込みます

2階建ての「中宇治yorin」での注目はミニキッチン付きのレンタルスペース、その名も「yoriai(よりあい)」。取材に訪れた12月半ばはこの部分だけ未完成でしたが、2月には稼働するそう。

「ワークショップや講座、展覧会を行う予定です。地元の人が趣味や出会いを楽しめる場にしていきたいと思っています」と宮城さん。

そのほかの店舗は、公募で選ばれたフレンチレストランと焼き菓子店、ヘアサロン。店主はいずれも、宇治を良くしていきたいという「中宇治yorin」のコンセプトに共感した人ばかりです。中には東京から移住してきた人もいるそう。

レンタルスペースの詳細はホームページ(http://nakaujiyorin.com/)やフェイスブックで確認を。問い合わせは宮城さん=TEL:080(9605)1053=へ。

このページのトップへ