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訓練服を着用して気分は宇宙飛行士

「向日市天文館」では、今年2月、1階展示室に「航空宇宙局(米国)」(NASA)訓練服のレプリカを導入。訓練服は試着ができるとあって、子どもにも大人にも人気です。展示室にはほかにも、子どもが宇宙を身近に感じられそうな仕掛けがたくさんありましたよ。

小高い丘の上にある向日市天文館。屋上には星見台もあるそう

少し傾斜のある向日神社の参道。ここをまっすぐに歩いた突き当たり。神社の隣に「向日市天文館」はあります。

館内を入ってすぐのところに、展示室が。取材時は、団体で訪れていた保育園児が20人ほどいて、にぎやかな声が響いていました。展示室の中央には地球や火星、木星といった太陽系の惑星の模型が置かれ、壁には天体写真などが飾られています。

この一角に、お目当ての「NASA」訓練服のレプリカを発見。宇宙飛行士が地上の訓練時に着る青いスーツ、船内での作業時に着るオレンジのスーツのレプリカが、大人も子どもも着られるよう3サイズずつ置かれていました。

「宇宙服をこんなふうに目の前で見るのは初めて!」。取材に同行した臼井由香さんと5歳の娘・ひよりちゃんは興味津々(しんしん)。早速試着をすることにしました。服の上から着ることができるので、着用はスムーズ。ひよりちゃんは、一番小さいサイズがぴったりです。セットの帽子もかぶって宇宙飛行士に変身、きまっています! 「制服などのコスチュームを着るのが好きなので、うれしいんだと思います」と、ニコニコ顔のひよりちゃんを見て、臼井さんが教えてくれました。臼井さん自身の感想はというと、「思ったほど重くない」とのこと。厚めではありますが、ナイロン素材でできているからですね。

訓練服の試着をする、臼井由香さん(右)とひよりちゃん(左)

展示室には、アンドロメダ銀河のパネルが。試着した後の記念撮影にぴったりですよ

展示は“とっつきやすさ〟を重視

向日市天文館の館長・小田芳弘さん。後ろにあるのは、プラネタリウムの初代投映機です

新設された月球儀は、月面のクレーターも細部まで表現されています

この訓練服のレプリカなどが置かれたのは、2月のこと。

「展示室には、ここ数年、ずっと同じものを置いていたんです。お客さんからの“新しいものが見たい〟という声を受けて、展示を増やし、中身を充実させることにしました」と話すのが、向日市天文館の館長・小田芳弘さん。

最初の計画では、宇宙空間で使われる白の気密服を期間限定で置く予定だったそうですが、「実際に試着できるものではなくて。着用することで、身近に感じてほしいと思っていたため、訓練服のレプリカを置くことにしたのです」。

子どもの“理科離れ〟が進んでいるといわれる現在。とっつきやすい展示にすることで、科学について関心を持つきっかけになればという思いがあったよう。

映像が流れるモニターや、探査機「はやぶさ」の精巧な模型なども新しく設置。その結果、プラネタリウムに参加した後に、展示室に立ち寄る親子が増えたのだとか。さっそく、展示を充実させた効果が出ているのかもしれません。

ひよりちゃんは他にも、太陽系の惑星が並ぶ模型を見て、地球に比べて太陽が何倍も大きいことに驚いたり、惑星の写真が見える望遠鏡を何度ものぞいてみたり。好きな星座を選んで塗り絵ができるコーナーにも夢中でしたよ。「楽しみながら学べて、星に興味を持ったみたいです」(臼井さん)

同館では、さまざまな工夫をしながら、子どもたちに宇宙の神秘を伝えているのですね。

天体観望会

第2土曜に開催。無料。要予約

5月13日(土)「木星と春の大三角」

6月10日(土)「木星と春の星座」

※午後7時〜9時。申し込み方法は
 ホームページ(http://www.city.muko.kyoto.jp/kurashi/tenmonkan/)参照

プラネタリウム

大人200円、小学生~中学生100円、小学生未満無料

4月7日(金)まで/春休み特別投影

4月8日以降の水木土日/一般投影(「オーロラの調べ」「妖怪ウォッチ」など)

※予約不可

会場・問い合わせ向日市天文館(向日市向日町南山82―1。阪急「西向日」駅から徒歩15分)
TEL:075(935)3800

開館時間午前9時30分~午後5時30分(入館は5時まで)
※入館、展示室の観覧は無料

休館日毎週月・火、国民の祝日・休日、機械調整日、年末年始

※駐車場なし

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