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新築、リフォーム、そのきっかけは?

親の介護と自分たちの老後に備え、リフォームしました。こだわった点は、この浴室から、隣接するダイニング、玄関までの段差をなくしバリアフリーにしたこと。さらに、お風呂、キッチン、ダイニング、トイレは1カ所に。コンパクトな間取りにすることで、移動が楽になりました。介護が必要になったときにサポートしやすいよう、脱衣所は広めのスペースを確保しています。

KHさん/2015年リフォーム

バリアフリーには〝体感〟と〝話し合い〟が大切

介護や自分自身の老いをきっかけに、家づくりをする読者もいます。ポイントは〝バリアフリー〟。

「高齢者に多いのが、家の中のわずかな段差につまずいて転倒する事故。かがみ込まないといけない和式トイレや、滑りやすいタイル張りの風呂場、大きくまたいで入る深い浴槽も暮らしにくさにつながります」

そう話すのは、NPO特定非営利活動法人 住宅福祉サービスの松岡良幸さんです。

松岡さんによると、バリアフリーが浸透してきたこの10年以内に建てられた住宅では、玄関や廊下などは段差がない設計が一般的だそう。また浅い浴槽や滑りにくい床材などが標準仕様になっているといいます。老後の暮らしを考え、こうした家に住み替えをする人もよくみられるのだとか。

「バリアフリー設計がされていない家でも、トイレや浴槽を新しいものに替える、玄関や廊下などに手すりを設置する、段差をスロープにするといった工事で対応できますよ」

工事をする前に大切なのは、〝体感〟と〝話し合い〟と松岡さん。

「浴室やトイレは、メーカーのショールームに足を運ぶといいでしょう。実際に浴槽をまたいだり、トイレに座ったり、手すりをつかんだりして、使い勝手を体感してください」

工務店やリフォーム業者には、自分のライフスタイルをしっかりと伝えることが必要だとか。

「業者任せにしていると、取り付けてくれた手すりが実際は不要だったなど、満足度の低い結果になることもあります。自分の生活動線を振り返り、一緒に考えましょう。その際、ケアマネジャーの意見を聞くのもおすすめです」

新築時から意識を

これから家を購入するなら、年齢に関わらず、最初からバリアフリーを頭に入れておくといいと松岡さん。家の中だけではなく、敷地と道路の高低差などもチェックしておくといいそうですよ。

教えてくれた人

NPO特定非営利活動法人
住宅福祉サービス
二級建築士
松岡良幸さん

介護保険の利用も可能

バリアフリー化の工事には、介護保険制度が利用できる場合もあります。京都市保健福祉局健康長寿のまち・京都推進室介護ケア推進課の担当者に話を聞きました。
※事前に必要な申請をして認められた場合に限ります

<介護保険を利用できるケース>

※①~③すべてに当てはまる必要があります

  • ①対象/要支援1、2または要介護1〜5の認定を受けた人
  • ②目的/自宅で自立した日常生活を送るためや、介護者の負担を軽くするため
  • ③内容/特定の住宅改修

※特定の改修例…「手すりの取り付け」「段差の解消」「滑り防止や移動の円滑化などのための床材の変更」「扉を引き戸に替える」「和式便器を洋式便器に替えるなど、トイレの改修」

<限度額>

20万円。そのうち1〜2割(2018年8月から1〜3割)は自己負担となるため、介護保険から支給されるのは最大16万〜18万円(2018年8月から14万〜18万円)
※新築や増築の場合や、リフォームであっても工事内容によって対象外のものがあります

「担当のケアマネジャーか、要支援の方は担当の地域包括支援センターの方に希望を伝え、相談するところから始めましょう。担当者がいない、わからない場合は、市町村(※)の介護保険担当にも相談できます」(担当者)
※京都市内に住んでいる人は区役所・支所

動線とライフスタイルを考慮して

家の中で劣化が早い場所といえば、キッチン、トイレ、洗面所、お風呂などの「水回り」。毎日使うからこそ、気になるもの。特に毎日、長い時間を過ごすキッチンについては、「より快適な空間を」と考える読者が多数いました。

1面でも話を聞いた片山さんによると、キッチンのリフォームの際は、シンクやコンロなどの設備だけではなく、調理や片付けのしやすさ、リビングとの距離感といった〝家事動線〟を考慮することが大切だとか。

「それに加えて、生活スタイルにあった設計にすることもポイントです。例えば仕事で帰りが遅く、頻繁に買い物に出られないなら、食品や日用品をストックできる収納庫がキッチンにあると便利です」

また、「開放感を重視してつり戸棚を取り払った結果、収納スペースが足りないというケースもあるので、何をどれくらい収納する必要があるか、事前にしっかり考えておきましょう」。

最近は、リビングとひと続きになったオープンキッチンやカウンターキッチンが人気ですが、「料理のにおいや生活感が気になる人は、キッチンを独立させた方がいいでしょう」

こうした家事動線のチェックや生活スタイルの振り返りは、家族みんなで行ってほしいと片山さん。仕事を持つ女性が増える中、「主婦だけではなく、家族みんなが調理や片付けに参加できるようなキッチンなんてすてきですね」。

「リビング京都」特別編集
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〈問い合わせ〉京都リビング新聞社 京都でかなえる家づくり事務局=フリーダイヤル:0120(855)123
土日祝除く 午前9時30分〜午後5時

http://kyokana.jp

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