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京都の観光、支えています

京都は世界でも有数の観光都市。寺社などの名所に多くの人が訪れています。そんな観光客の楽しい旅の背景にあるのが、地元民の力。京都の観光を支えている人たちの取り組みを紹介します。

外国人旅行客に、通訳ガイドが魅力をPR

唐門を見上げる折原さん(左から3人目)とツアー客。奥にあるのが二の丸御殿です

訪日客に、観光地の魅力を伝える通訳ガイド。京都市では、2015年から認定通訳ガイド「京都市ビジターズホスト」を育成しています。

「研修を経て専門性を身に付けたプロのガイドです。英語のほか、中国語やフランス語で京都の町を案内しています」とは、京都市ビジターズホストの事務局を担う、京都市観光協会の加藤郁理(いくり)さん。現在は30~40代を中心に109人が認定されていて、8割が女性だといいます。

折原美穂さんは、そんな京都市ビジターズホストの一人。二条城の英語でのガイドツアーに記者が同行しました。

取材日はアメリカなどから観光に来た外国人4人のほか、東京で通訳ガイドをする日本人が勉強のためにと参加。

「ここは、日本の歴史のターニングポイントとなった城です」との折原さんの案内を聞きながら、東大手門、番所、そして唐門へと進んでいきます。

華やかな唐門を前にしたところで「すごい!」と歓声が。

「ほら、あそこ。唐獅子などが彫刻されているんですよ」と折原さんが門の上部を指さします。

二の丸御殿では、武士についても詳しく解説。

「ちょんまげは甲冑(かっちゅう)をかぶるときのクッションになっていました」「将軍の食事は毒見が終わってから。温かい料理は食べられませんでした」などの話に、参加者も興味津々。「分かりやすいガイドで、とても勉強になった」という感想も聞かれましたよ。

二条城以外にも、京都市ビジターズホストは伝統産業の工房や商店街を訪ねるツアーなどを実施。

「この秋には、新たにスペイン語のガイドも誕生。有名な観光スポットだけにとどまらない京都の良さを外国人に伝えていきます」(加藤さん)

色鮮やかな唐門を、しばし足を止めて鑑賞。細かい極彩色の彫刻は、海外の人にとっては珍しいようです

「知識がなければ、せっかく訪れた観光地も印象に残らない場合があります。分かりやすくガイドすることで、楽しい旅の手伝いができたら」と折原さん

伐採や土入れ、一年を通して竹林を整備

協力しながら竹を伐採するボランティアメンバー。今年は50~70代の7人が活動しています

協美しく整備された観光竹林。写真は8月の様子

乙訓といえば、有名なのが〝竹〟ですね。長岡京市の光明寺道から文化センター通を北へ進んだ西側にあるのが、同市の観光竹林。青々とした竹林が広がっています。

竹林を管理する長岡京市観光協会の山田勝吉さんによると、「タケノコ掘り体験ができる春には、大勢の人でにぎわいます」。

同会では2005年から竹林整備を開始。ボランティアとして観光協会役員や農作業経験者など、約10人が毎年活動しています。

かつてこの竹林は荒れ放題だったそう。現在の爽やかな光景からは、なかなかイメージできませんが…。

「ボランティアの努力で、ここまで美しくなりました。タケノコ掘りが終わった5月には、芯止めという竹の先の部分を折る作業を実施。そのほか竹切りや草引きなど、さまざまな作業をしています」

数年前には竹林と道の間に竹垣も完成。散策にぴったりな風情ある道になりました。

「メンバーも『観光客に喜んでもらえてうれしい』と話しています。竹林を長岡京市の活性につなげていきたいですね」

ボランティアを確保し、竹林整備の技術を継承していくのが今後の課題とのことです。

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