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試写室・劇場から

都をどり

京都・南座にて4月27日(土)まで公演中

67年ぶりに南座を彩る これぞ京都の「艶」と「凄」

「都をどりはぁ~」「ヨーイヤサー」

はんなりと艶(つや)めいた掛け声とともに、花道と上手(かみて)の舞台袖から華やかに登場する、祇園甲部の芸舞妓。16人そろいの藍地の着物が背景の銀ぶすまに映えて、それはそれはあでやかな「都をどり」の幕開き(置歌)である。

今年は南座新開場記念で「御代始歌舞伎彩(みよはじめかぶきのいろどり)」と題して、67年ぶりに南座で開催。

演目は、南座にちなみ歌舞伎を意識した「四条河原阿国舞」をはじめ、「桂離宮紅葉狩」、商売繁盛・家運隆昌(りゅうしょう)を祈願した「初恵美須福笹配」、後白河上皇の御所に集う白拍子や遊女が舞う「法住寺殿今様合」、昔話のわらしべ長者をベースにした「藁稭(しべ)長者出世寿」に、冬の祇園のお座敷の舞「祇園茶屋雪景色」まで。そして、圧巻のフィナーレは「大覚寺桜比」。浄瑠璃や京舞のテイストを織り込んだ、濃密な華やぎが醸し出す舞台に、すっかり夢心地。

「これぞ京都!」の凄(すご)みがここにある。

(文筆業 あさかよしこ 

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