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京都、平成から令和へ

いよいよ来週から、新元号になります。30年余り続いた「平成」は終わりますが、この間、京都では「令和」へとつながるさまざまな出来事がありました。次代に向かって発展、活躍、ますます快適になるであろう事柄やまちの動きを、平成の出来事とともに振り返ってみましょう。

平成元年

京都リサーチパーク

京都市国際交流会館

平成6年

平安建都千二百年記念式典開催
「古都京都の文化財」として16社寺1城がユネスコの世界文化遺産に登録

平成7年

梅小路公園

京都コンサートホール

JR「神足」駅が「長岡京」駅に改名

平成8年

宇治市植物公園

平成9年

京都駅ビル完成(4代目)
「地球環境温暖化防止京都会議」開催

平成21年

「京都祇園祭の山鉾行事」がユネスコの無形文化遺産に登録

平成22年

京都大学iPS細胞研究所

平成24年

京都水族館

平成28年

京都鉄道博物館

 ※色文字…オープンしたもの

H1

全国初、民間が運営する新産業創出拠点
「京都リサーチパーク」がオープン

京都リサーチパーク1号館。現在、敷地内には17の建物があります

「たまり場」にて。左から井上さん、松下さん、川本かほるさん

京都市下京区、五条七本松の南側一帯に、大きなビルが立ち並ぶ「京都リサーチパーク」。平成元年、東地区の開設からスタートしました。

〝リサーチパーク〟とは、研究機関が集まったエリアのことで、京都リサーチパークは全国初の民間運営による新産業創出拠点。現在、情報通信技術関連やヘルスケア・バイオ、機械・装置、電気・電子・半導体といった企業や産業支援機関など〝約480組織、5000人〟がここで技術開発などを行っています。

「次の時代を担っていく方々の刺激になる場に」(経営企画部・松下利章さん)と、ビジネスセミナー、親子向け教室など幅広いイベントを実施する「KRP WEEk(ケーアールピー ウイーク)」を今年も7月末から開催予定。

また昨年には、起業家や起業を志す学生たちが、自由に利用でき集える場所として「たまり場」を新設。イベントや交流会が随時、開かれています。担当のイノベーションデザイン部・井上雅登さんは、「学生の街、ベンチャーの街である京都で、幅広い技術革新の創出に貢献していきたい」と話します。

「30周年を迎えた今年、次の目標は〝イノベーション創発〟です」と松下さん。さまざまな人が集まり、交流し、世の中を変えていこうという動きをここから!という意気込みで、取り組んでいます。

H22

再生医療と創薬の期待を担い、設立された
「京都大学iPS細胞研究所」

iPS細胞の実験が行われる「オープン・ラボ」

「再生医療用のiPS細胞は、この研究所でしか作られていません。ここから研究機関などに送られるんです」と三宅さん

iPS細胞。作製者の京都大学教授・山中伸弥さんがノーベル賞を受賞したことで話題になりましたね。このiPS細胞を研究する機関が京都大学にできたのは、平成22年のことでした。山中さんが所長を務める「京都大学iPS細胞研究所」です。

「iPS細胞は、人の皮膚などの細胞に、複数の遺伝子を加えることで作り出せます」とは、同研究所国際広報室の三宅陽子さん。〝どんどん増やせて、さまざまな細胞を作れる〟のが特徴。iPS細胞は神経細胞にも、軟骨細胞にも、腎臓の細胞にもなるのです。

これを生かして、進められているのが〝再生医療〟と〝創薬〟の研究です。

再生医療とは、病気やけがなどによって失われた機能を回復させることを目的とした治療法。iPS細胞は、正常な細胞を作り出し、機能が低下した部分を再生させることが期待されています。例えば、がん患者の弱った免疫細胞を元気な免疫細胞にすることで、治療にも役立つ可能性があるのだそう。

「今後の目標は、再生医療用のiPS細胞のストックを増やし、より安価に迅速に、国内外の医療機関などに提供できるようになることです」(三宅さん)

もう一つの役割が創薬。患者から作ったiPS細胞を使うことで、たくさんの薬の中で、どれが効果があるかを見定めます。すでにいくつかの病気に対して治験が始まっているとか。

病気やけがで苦しむ人を減らすことができる可能性があるiPS細胞。その研究が私たちのまち、京都で行われているとは誇らしい気持ちになりますね。

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