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演劇だけじゃない!?太秦の小劇場が人々の交流の場に

2016年、太秦の町に誕生した小劇場「シアターウル」。今、この劇場を通じて人々の交流をはかり、地域を盛り上げようという試みが行われています。おばけやしきやボードゲームなど、劇場との意外な組み合わせに注目を。

みんなで作り上げる楽しさを

「おばけやしき ろーじ(路地)の森」

昨年の「おばけ」たち。メイクや効果音の出し方もプロが教えてくれます

ビルの2階、小劇場がおばけやしきに変身!生身の人間が演じるおばけに、あちこちで叫び声や笑い声が響いて―。

「劇場を、地域の人が気軽に訪れられる場所に」。「シアターウル」の〝小屋主〟、吉田宇留さんの思いに共感して「京都まちあそび研究会」が主体となり、昨年からスタートしたイベントです。同会は、演劇を取り入れたワークショップなどを通じて地域の活性化を図る民間団体。担当の井上礼子さんと吉田さんに、今年の内容を教えてもらいました。

8月10日(土)は「子どもがつくるおばけやしき」。京都の民話や伝説をもとに、子どもたちがおばけを創作。おばけ役はもちろん舞台美術や音響、照明なども子どもたちが担当するそう。

井上さん(左)と吉田さん(右)。「入場料も抑えているので、ふらりと立ち寄ってくださいね」

怖いのは平気、という人は11日(日)の「大人がつくるホンキのおばけやしき」へ。待ち受けるのはさまざまな妖怪やモンスター。プロの劇団員の迫真の演技に、昨年は途中でギブアップした子どももいたんだとか。

「当日に参加するのも楽しいですが、おすすめは〝作り手〟になることです」と井上さん。両日までの準備やおばけ役、ヘアメイクなど、すべては劇団員とボランティアによるものです。「楽しかったので今年も、というボランティアのリピーターも」。10日のおばけ作りに参加する子どもも募集中です。

仲間と一緒に一からおばけやしきを作りあげるという〝非日常〟の体験は、忘れられない思い出になりそうですね。

おばけやしき ろーじ(路地)の森

■日時

「子どもがつくるおばけやしき」
8月10日(土)午後4時〜4時30分(おばけ創作は午後1時〜)

「大人がつくるホンキのおばけやしき」
8月11日(日)正午〜午後2時(妖怪編/子ども向け)、午後3時〜6時(モンスター編/小学生〜大人向け)

■入場料
①100円 ②300円
■問い合わせ
①のおばけ創作に参加希望の子ども、およびボランティア希望の人は
シアターウル=TEL:090(6323)2030(担当/吉田さん)=まで。
詳細は同ホームぺージ(https://theatre-uru.com/)でも紹介

ゲームを通じてコミュニケーション

「劇場でボードゲームをする会」

J-POPの曲が流れて、身を乗り出す参加者たち。劇場主の吉田さん(中央)も加わって盛り上がりました

「シアターウル」の、普段は観客席になるフロアに座った参加者たち。行われているのは「狩歌(かるうた)」。床に並んだカードには「ずっと」「いつか」「愛」などの単語が。好きな曲を流して、歌詞に同じ単語が出てきたら素早く取る、というかるた形式のゲームです。

「前回も、こうした音系のゲームが盛り上がりましたね」とは、主催者の一人、松浦雄志さん。構成作家、演芸作家である松浦さんが、友人の辻悠介さん、劇作家の山野博生さんと「劇場でボードゲームをする会」を始めたのは今年3月のこと。以降「シアターウル」を会場に月1回のペースで開催しています。

「この劇場ができて3年、まだまだ地元にも知られていません。演劇にこだわらず、もっとたくさんの人に足を運んでもらうきっかけをつくれれば、と思っていたんです」と松浦さん。「〝よろずゲームマスター〟の辻さんと話すうちに、この会が形になりました」

用意したゲームは先ほどの「狩歌」のほか、早口言葉を競う「トマトマト」、連想ゲームのような「卒業式かるた」など約30種類。最近では、こういった〝カードゲーム〟も広義のボードゲームとされているとのこと。

主催者の松浦さん(左)と辻さん(右)。「ほかにも劇場を使った新しいイベントを考え中です」

「初心者でも参加しやすいよう、簡単に遊べるものを選んでいます」と辻さん。中には3歳程度の小さな子どもでも遊べるゲームも。「今は20〜30代の参加者が多いですが、子どもや高校生などいろんな世代に来てもらいたいですね」

毎月第4金曜日開催。次回は7月26日(金)。いずれも午後7時〜10時(途中参加可能)。参加予約は不要。問い合わせは、メール==、または電話=TEL:090(2017)2292(松浦さん)=で。

会場
「シアターウル」
右京区太秦北路町26-2 登喜和野会館2階、
京福「常磐」駅から徒歩約5分

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