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試写室・劇場から

レディ・マエストロ

10月5日(土)から京都シネマで公開

©Shooting Star Filmcompany - 2018

女性ゆえのハンディと闘い、夢をかなえた指揮者の半生

西本智実さんをはじめ、女性指揮者が活躍する時代になったが、世界でも指揮者の数は圧倒的に男性が多い。さまざまな理由があるのだが、この映画で描かれているように、女性に門戸を閉ざしてきたクラシック音楽界の保守性もその一つ。その厳しい環境で、いちずに夢を追いかけたアントニア・ブリコの格闘を活写したのがこの作品。

1926年のニューヨーク。オランダ移民のアントニアは、指揮者になりたいと願い、ナイトクラブで働きつつ、音楽学校に通い始めた。だが、退学せざるをえない事件や、生い立ちの秘密が、彼女をヨーロッパへと送り出す。そして、念願の指導者と出会うが…。

型破りで気の強いアントニアだが、音楽に対する情熱は半端ではない。「女性に指揮は無理」と失笑されても、けしてあきらめない。恋や結婚よりも、音楽こそが彼女の中心なのだから。彼女の心の友であるロビンの人となりもすてきだと思った。主演のクリスタン・デ・ブラーン、監督マリア・ペーテルスは、いずれもオランダ出身。

(ライター 宮田彩未 

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