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「オモシロ3人展」が開催されます

 城陽市の、知的障害がある高齢者のための施設「南山城学園 和(なごみ)施設 欅寮」。こちらでは、利用者への支援の一環として創作活動に力を入れています。今回、公募展で入賞歴もある3人の利用者の展覧会「オモシロ3人展」が南区のギャラリーで開催されると聞き、同施設に取材に行ってきました。


橋本さんに「どれを写しましょう?」と尋ねて選ばれたのがこちら。「べにの花」というタイトルで、「かんでんコラボアート21」の入選作

取材当日、和施設の創作活動スペースを訪ねると、朝日の降り注ぐ中、糸状に割いた布を使って黙々と作業を行っている女性がいました。彼女は橋本玉美さん(59歳)。

「橋本さんはとにかく表現活動が得意。絵を描いても切り絵を作っても、独創的な作品を生み出します。ダンスも上手なんですよ」と、同施設主任の小林陽平さん。

今回の展覧会には、布糸で作ったオブジェのシリーズを出品する橋本さん。彼女のエネルギーが込められたような作品は、色使いがとてもきれい。無秩序に糸を結んでいるように見えて、ちゃんと感覚で選んでいるのだなと感じました。

小さな粘土片が集まってできているのがわかりますか? 
大きな作品だと、1カ月くらいもかかるのだとか。
「京都とっておきの芸術祭」で京都府知事賞を受賞

ふと壁際を見ると、縄文式土器のような壷が並んでいます。その横で恥ずかしそうにたたずんでいるのは、これらの陶芸作品を作った板倉武雄さん(80歳)です。

「土を細いひも状にのばし、小さく切ったものを、一つ一つ積み上げて作っているんです」と小林さんに教わって、びっくり! 布糸などほかの素材には一切興味を示さないという板倉さん。今回出品するのも、もちろん陶芸作品です。

壁には、展覧会に参加するもう1人、矢間康弘さん(68歳)の作品もたくさんかかっていました。
矢間さんは取材日は旅行中で不在でしたが、小林さんによると「明るくて人懐こい」そう。鮮やかな色使いの大胆な作風にもそんな性格が現れているようです。今回は、羊毛を織ったフェルト作品を中心に出品します。




制作活動が日々の生活で大きな位置を占めて

同じ布糸を使ったものでも、矢間さんの作品は橋本さんより男らしくパワフルで、大らかですね

「当施設では、園芸や紙すきなど実務的な活動と、リハビリ、そしてフェルトや編み物などの創作活動が3本柱です。とはいえ創作活動は得意不得意があるので全員は行いません。内容も具体的な指示はせず、素材だけを渡して自由にやってもらっています」とのこと。それでこんな個性の違いが出るのですね。

3人とも障害者対象の公募展で何度も入賞しています。今回の展覧会は、初めての一般のギャラリーでのもの。「以前ここで働いていたときから、この3人の作品が大好きで。昨年祖母の家を改築してギャラリーを始めるにあたり、ぜひ紹介したいと思っていたんです」とは、展覧会会場の「Art Space ya(アートスペース ヤ)」の小林敦子さん。



「Art Space ya(アートスペース ヤ)」

生命力あふれるユニークな作品を見にいきませんか。
同ギャラリー:南区八条通大宮西入ル にて、2月19日(土)~21日(月)
問い合わせは小林敦子さん=TEL:090(8120)1842

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