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インタビュー

カメラマン ハリー中西さん

本名/中西昭和さん。1959年京都市生まれ。カメラマンになってから20㎏太ったとか。「情報誌の仕事で、1週間に28杯ラーメンを食べたことも。体重増は職業病ですね」 (撮影/エディオオムラ)

熱も、匂いも。おいしさをストレートに伝えたい

3月、「2010グルマン世界料理本大賞シェフ部門」でグランプリを受賞した本「祇園さゝ木 佐々木浩の舞台」。すべての写真が、ハリー中西さんの撮影です。



「料理の写真は、料理が目の前に出されてから、いかに早く撮影するかだと思います。少しでも時間がたつと、乾いてしまう」

カメラマンとして料理を撮影し始めてから、約30年。当初からその思いは変わらないそう。

「料理人さんが“さあ召し上がれ”と出してくれたタイミングでの撮影でないと、味は伝わりません。アングルをどうしようと迷っている間に、料理は劣化してしまう。僕は、その場の熱や匂いを、そのまま伝えたい」

勢いのあるものは 勢いのあるままに

「祇園さゝ木 佐々木浩の舞台」(永末書店/4000円+税)でも、ページいっぱいに広がる、料理写真が目を奪います。

「料理人としての佐々木さんの“勢い”を大事にしたかった。料理もたえず進化しているし、なにより豪快な人です(笑)」

和食はもちろん、イタリアン、中華、粉もん、ラーメン…。情報誌などの仕事で、さまざまな料理も撮影します。

「イタリアンや粉もんなどは、おいしさがストレートに伝えられる料理。でも、京料理は盛り付けの美しさが優先されることが多い。撮影のとき、料理人さんがピタッと横について、『この角度から撮影して。皿は1㎜も動かさんように』と言われることもあります。でも、何回か通ううち『任せるし好きなように撮ってええで』と言われたときは、よっしゃ!と思いますね」

老舗の多い京都で、自分流を理解してもらうまで時間がかかることも。

「1度『任せる』と言われたら、その後は撮影場所にも、いはりません」

(文・山舗恵子 

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