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質問

残32年、変動金利の住宅ローン
繰り上げ返済なら控除終了後?

夫(会社員)29歳  妻(会社員)35歳 子2歳

第1子誕生後、妻はフルタイムから時間短縮勤務に。ボーナスはないものの収入は安定しています。子どもをあと2人ほしいと思っていて、妻は産休を取得し働く予定です。現在、残期間32年、変動金利0.875%の住宅ローンを組んでいますが、ローン控除が終了する7年後に500万円ほどの繰り上げ返済を考えています。より効率的な方法があれば教えてください。

貯蓄ができる健全な家計状況
ローン控除の対象額に注意を

ご夫婦で力を合わせて頑張っている様子が目に浮かびます。ご主人の病後の経過も順調なようで、一安心ですね。

まず、家計の状況ですが、年払いの積み立てを行った上で黒字となっていて、ボーナスを含め年100万円程度の貯蓄ができる健全な内容です。これであれば子育て費用、次のお子さまの出産費用などを確保しながらも、将来の繰り上げ返済が可能となるでしょう。

繰り上げ返済とは、「元本部分を返済(数年分の元本を前もって返済)することで、その期間にかかる予定だった利息の支払いが不要となる」ものです。一般的に多く利用されている「元利均等返済」は、返済期間の初期ほど利息の割合が高いため、「繰り上げ返済はできるだけ早くに行うこと」が原則となります。

デメリットは、ローン控除の対象金額が減少することです。年末のローン残高×1%で計算されるローン控除は、残高が減少するとその分だけ効果も縮小します。また、手元の保有資金が減少することもデメリットの1つです。

一方、有効に活用したいローン控除にも注意点があります。あくまでも納めた所得税・住民税の範囲内で、控除の金額が決まるということ。ご相談者の場合は、所得税・住民税額はご夫婦合わせて約23万円。現在のペースが続くのであれば、2300万円以上のローン残高があっても効率的には利用できません。このため、ローン控除のことは一旦横に置き、来年1月に200万円を繰り上げ返済第1弾として実行してみてはいかがでしょうか。この結果、約62万円の利息軽減効果が生まれます。

その後は、金利状況を見ながらの返済計画がベストな選択でしょう。まだ先の話ですが、適用金利が上昇するようであれば、早めに繰り上げ返済を。そうでなければ、予定通り7年後の実行としてください。

【回答者】
ファイナンシャルプランナー
山副 耕一

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