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インタビュー

シンガーソングライター 白井貴子さん

1959年、神奈川県藤沢市生まれ。京都女子高校、フェリス女学院短期大学卒業。
1984年「Chance」のヒットで「ロックの女王」の称号を得る。
昨年、文部科学省ESDメッセージソング「僕らは大きな世界の一粒の命」の
DVDが全国のユネスコスクールに配布された。
12月5日(土)・6日(日)、「都雅都雅」(下京区)でライブ開催。
チケットは9月27日(日)から発売。詳細は、同館=TEL:075(744)1497=へ

豊かな自然とロックが 私の軸となる大切なもの

50代からの人生を充実させるための情報をお届けする特集「大人タノシ」。今回の巻頭インタビューは、シンガーソングライターの白井貴子さんの登場です。80年代「ロックの女王」と呼ばれていた白井さん。彼女の活動のパワーの源となっているのが〝森での生活〟とか。 自ら「エコとロックのハイブリッド」と表現する現在の生活について、聞きました。



音楽活動など、白井さんのいまのパワーの源となっているのが、南伊豆に所有する3000坪(9900平方メートル)もの森での生活です。

「十数年前に、ギタリストの夫とともに自由に演奏できる場所を探していて、海も近いこの森に出合いました。ここにトレーラーハウスを置いて寝泊まりして、自然からのエネルギーをいっぱい吸収しています」と、チャーミングにほほ笑む白井さん。

「私が幼少期を過ごしたのは神奈川県藤沢市。海や森、小川がすぐそばにある環境で、ビートルズを聴いて育ったんです。だから、豊かな自然とロックは、私にとって欠かせないものなんです」

2年間のロンドン生活が一大転機に

白井さんが暮らしているこの森は、「マーガレットグラウンド」と名づけられています。それは、生きるヒントともなった花に由来します。 「ロックの女王と呼ばれていたころは、競争の激しい世界で体力の限界まで活動して、精神的にもギリギリの状態でした。30歳を目前にして、いろいろな意味で追い詰められ、このままではダメになってしまうと感じていたとき、レコーディングで訪れたロンドンで、ふと空に向かって気持ちよさげに咲く小さなマーガレットをみつけました。その姿に、湘南の自然の中でのびのび駆け回っていた子どものころの自分が重なり、涙が止まらなくなって…。もう一度あんな自分に立ち戻りたい、そう強く感じたのです」

その後、休養して感性を養うためロンドンへ移住。「オーガニックな食材や化粧品などが豊富なロンドンの生活を通して、エコロジックなライフスタイルに目覚めました」

そこで気付いたのが、日本の素晴らしさ。「子どものころから洋楽一辺倒だったけれど、日本こそ私が一番大切にしないといけない国だと気付いたのです」

京都とのつながりを より深めていきたい

来年はデビュー35周年。12月には、京都でのライブが決定しています。中学・高校時代を京都で過ごした白井さんは「一番たくさん音楽を聴いた年ごろを過ごした京都は、私の音楽のルーツともいえる場所」といいます。

「『あの素晴らしい愛をもう一度』など数々の名曲を作詞した京都フォークの中心人物で、元ザ・フォーク・クルセダーズのきたやまおさむさんに、“自分の歌を歌い継ぐ歌姫”に選んでいただいたのです。男性グループの歌を、女性の私が歌い継ぐことは、女性が輝く社会が志向されている現代にもシンクロする気がして、大いに意欲を燃やしています」

(文・吉永美代

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