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インタビュー

NPO法人「Joint Joy」代表 山本陽子さん

5月初旬、5軒隣に飲食スペースを設けた「お菓子工房」をオープン予定。
現ショップはおむすび・お弁当の専門店に。http://www.jointjoy.jp

障がいのある人の“働く”を ずっと応援していきたい

京都で新たなビジネスに挑戦している女性を表彰する京都府の「京都女性起業家(アントレプレナー)賞」。2014年度・第3回の京都リビング新聞社賞を受賞した山本陽子さんに、受賞後1年の今を聞きました。



南区在住の山本さんは食品の製造販売を通して、障がいがある人の就業訓練と就労支援を行っています。「子育てが一段落したころ、自閉症の保育園児に出会って、思ったんです。大きくなったらどうしはるんやろうと」と、山本さん。これがきっかけになって、福祉の道を志すことに。

夫婦で営んでいたケーキ屋さんを辞めて、社会福祉法人で働き始めたのが40歳。9年間勤務して福祉を学び、独立を決意しました。障がい者の就職難に直面し「一般企業で就労しなくても、自分たちで稼いだらいい。仕事がないなら、自分たちでものを作って売りましょう」―そんな思いだったと言います。そうして、2013年に立ち上げたのが、NPO法人「Joint Joy(ジョイントジョイ)」です。

八幡市にある、同社運営の同名店の人気商品は、“にぎらない”おむすび(1個100~130円)。手でにぎらず、ご飯を食品保存容器の中に入れてコロコロ回す手法で作っています。

「直接手が触れないから衛生的で、誰が作っても均一なものができる。ふわふわのご飯がおいしいです」。近隣には一人暮らしの高齢者も多く、「オペーレーションは複雑になるけれど、地域の役に立ちたい」と、お弁当の個配も始めました。

「この事業を始めて約3年。ぽつりぽつり自分から話せるようになった人。持つことすらできなかった包丁で、具材をカットできるようになった人。それぞれに変化があって」と目を細めます。

「企業に送り出しても、めげて帰ってこない人材の育成が目標。障がいのある人も長く働いてほしいですね」

(文・田中理絵

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