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試写室・劇場から

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

5月27日(土)からMOVIX京都で公開

©2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

大都会で出会った女と男の、日常の中の“詩”に打たれる

現代詩は売れないなどとよく言われてきたが、最果タヒの詩集はいま多くのファンをつかんでいるのだそう。そして、驚くべきことに、彼女の詩集をもとに、「舟を編む」の監督・石井裕也がイメージをふくらませて自ら脚本を書き、映画化されたのがこれだ。映像を通した詩的体験に、じっくり浸ってほしい。

東京。看護師として病院に勤めながら、夜はガールズバーでアルバイトをしている美香(石橋静河)と、日雇いの作業員として働く慎二(池松壮亮)は、それぞれに孤独と周囲との違和感を抱えていた。このふたりが出会うべくして出会う。お互いが張り巡らしている不安や拒絶の網をくぐり抜け、やがて見つけたものとは?

“シラケ世代”ということばが昔あったけれど、それに似て異なるものがこのふたりにはある。求めても簡単には得られない、でも求めたいという思いの強さが見え隠れする。そして、随所で語られる詩の一節が物語に寄り添い、詩とは日常のものであるということを確かめたのだった。

(ライター 宮田彩未 

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