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コレ読んで!

坂の途中の家

角田光代 朝日文庫・778円

裁判員裁判の被告人に重ね合わせたのは自分の姿

「最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない」。同作は、乳幼児虐待事件の裁判員裁判を通して、家族や親子の在り方に迫る心理サスペンス小説。

補充裁判員に選出されるまで、ごく当たり前の生活を送っていた里沙子。彼女が関わることになった案件は、くしくも自分と似た環境で子育てをする母親が関与を疑われる事件の裁判でした。出廷するその母親の姿や、彼女の家族や知人の証言に、自分の姿を重ね合わせる里沙子。

この物語をどう受け取り感じるかは、それぞれだと思います。しかし、事件とそれを取り巻く環境や人々の関係性など、目をそらしてはいけないことなのではないかと考えさせられます。

【紹介者】
大垣書店 小林素紀さん

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