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試写室・劇場から

家族のはなし

6月1日(土)まで、京都劇場にて上演中

究極の自然体で演じる草彅剛の″役者力〟がスゴイ

粋でユニークで、上質なコメディーである。しかも2本立てというから興味深い。

第1話は、「わからない言葉」。都会のマンションの一室で、いさかいをする夫婦(池田成志・小西真奈美)やその友人たち(畠中洋・小林きな子)の傍らで、いちいち大げさに反応する一人の男(草彅剛)。でも男には、人間の言葉が全くわからない。だって、彼は犬なのだもの。ペットと飼い主との間に生まれる感情を描く。第2話「笑って忘れて」は、仲むつまじく暮らしている若い夫婦(草彅・小西)の話。額にけがをしている妻を、優しく気遣う夫だが、二人のやり取りが少しヘン。何か秘密がありそうだ。

どちらの作品も、シンプルながら、家族のつながりの心理を、ツンツンと心地よく突いてくる傑作である。

何よりも、芝居巧者の共演者たちを相手に、驚くほどの自然体で〝役を生きる〟草彅剛の存在に驚かされる。もしかしたら、どんな役にも、まるでスライムのようにスルリと入り込んでいける俳優なのかもしれない。

(文筆業 あさかよしこ 

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