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「手洗い」はなぜ大切? いま家庭で気をつけたいこと

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)から感染する感染症(COVID-19)。いま、家庭の中で気をつけておきたいことについて、あらためて感染病態学が専門の京都府立医科大学教授・中屋隆明さんに教えてもらいました。

中屋隆明さん

京都府立医科大学大学院医学研究科教授。季節性インフルエンザウイルスや鳥インフルエンザウイルスなどを対象に、病原性の分子機構の解明に取り組んでいます

厚生労働省の発表によると、現時点(4月2日)で考えられている新型コロナウイルスの感染経路は、「飛沫感染(ひまつかんせん)」と「接触感染」の二つです。

「飛沫感染」は、感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染すること。「接触感染」では、感染者がくしゃみや咳を手で押さえたあと、その手で周りの物に触れるとそこにウイルスが付着。別の人がそこを触るとウイルスが手に付き、その手で目や口、鼻を触ることで感染します。

「空気中を漂う新型コロナウイルスは、数時間で感染力を失うという研究結果が報告されています。しかし、飛沫などと一緒に排出されたウイルスは、表面が体液などでおおわれているためくっつきやすく、感染力も持続します。電車のつり革やエスカレーターの手すりなどが感染経路と考えられるのはこのためです」と中屋さん。

人の目や口や鼻などの粘膜に付着したウイルスは、細胞内に侵入します。これが、いわゆる感染です。

そこで、欠かせないのが、帰宅してすぐの「手洗い」です。中屋さんの研究室で、インフルエンザウイルスでの手洗いの効果を実験したところ、「水道水でジャバジャバと手を洗えば、手についたウイルスは流れ落ちます。手洗いにかける時間は、少なくとも15~20秒。手のひら、手の甲、指と指の間など全体をまんべんなく洗うことがポイントです。ちょっと洗っただけでは落ちません。新型コロナウイルスは季節性インフルエンザウイルスよりも感染力が少し強い印象ですが、手に付着したウイルスは15~20秒の流水で流れ落ちると考えられます」。

手を洗っている間、好きな歌を口ずさむことで時間の目安にするのもいいですね。せっけん、ハンドソープの使用は「あればよりよい」とのこと。しっかりと洗った後は、手についた水気をよくふき取りましょう。

手洗い後にアルコール消毒は必要ですか?

「アルコールは、揮発性が高いのが注意点。ウイルスを死滅させる前に気化してしまっては意味がありません。また、アルコールの多用が手荒れの原因になることも。アルコールを使う場合は、手のひらにたっぷりと吹き付け、すばやく手指全体にまんべんなくなじませてください。手洗いができないときの代用として考えておくといいでしょう」

手洗いにより、家の中のあちこちにウイルスを付着させずにすみ、家族間の感染リスクも軽減させます。ほかにも、家庭内で気をつけたいポイントを下表にまとめました。

「日常生活の中で取り組みやすいことをしっかりと継続して行うことが、感染拡大を防ぐことにもつながります」

家庭内で気をつけること

1「手洗い」

帰宅後すぐ、手指全体を流水で少なくとも15~20秒。水気はきちんと拭きとる。

2「拭き掃除」

ドアノブやスイッチなど手で触る場所を中心に。水洗いした雑巾で拭いて、乾くまで触らない。

3「食事は別皿で」

高齢者がいる場合は、大皿盛りを避けて個別に取り分ける。食器洗いは通常通りでOK。

4「換気する」

1日3回、毎回20〜30分程度。花粉症などの家族がいる場合は無理をしないで。

5「空間を分ける」

体調が悪い人がいる場合は、居室や食事の場所を分ける。タオルは共用はしない。

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