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コレ読んで!

好奇心を〝天職〟に変える 空想教室

植松努 サンクチュアリ出版・1375円

町工場のロケット開発者が伝えたい、夢への挑戦

本書は北海道の小さな町工場でロケット開発を行っている経営者のメッセージが詰まった一冊です。誰もが子供の頃抱いていた夢。しかし、大人たちに「どうせ無理」と諦めさせられたという経験を、一度はしたことがあるのではないでしょうか? 著者もその一人でしたが、夢は「はかなく叶わないもの」という日本の教育に疑問を抱き、憧れ続けることで夢をかなえてきました。

これからの時代は夢が必要で、「どうせ無理」と夢を奪うのではなく「こうしてみれば」と応援してあげるだけで世界はもっと良くなると著者は訴えるのです。この本を読めば、忘れかけていた夢に再び挑戦したくなるはずです。

【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん

誰も気づかなかった

長田弘 みすず書房・1980円

「気づかれない」ものに目を向けた詩人のことば

身の回りに情報が多すぎる。ここ数カ月は特に。みんな一生懸命にいろんなことを言っている。あまりにも周りがにぎやかだともう黙るしかない。

5年前に亡くなった長田弘さんの言葉がちいさな本になった。表題は8年にわたって連載された一編の長い詩だ。誰も気づかないささいなものが表向きの情報や表情の裏側にあることを教えてくれる。それは、声高に自分の存在を叫ぶのではなく「気づかれない」ままでいることの自由であり、ただそこにあることの幸福なのかもしれない。

詩人はこうつづる。

「何だって正しければ正しいのでない。」

正しいことは簡単だ。簡単なことは簡単でいいのだろうか。

【紹介者】
開風社 待賢ブックセンター 鳥居貴彦さん

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