本が生み出す〝人とのつながり〟

お酒を片手に本談議

「毎回10~20人ほど集まります。立ち飲みのような気軽な感じで来てください」と大喜書店店主の岡田大次郎さん

お酒を飲みながら好きな本について語り合うイベントが「BOOK BAR」。毎月第3金曜日に町家ギャラリー「nitera shinka(ニテラ シンカ)」(中京区新烏丸通二条上ル)で開催されています。主宰者は、建築関係の本を中心に扱っている「大喜書店」の岡田大次郎さん。

以前のイベントの様子。毎回、200~300冊が並びます。一般的なものから、ちょっぴりマニアックなものまで、岡田さんの本のセレクトも楽しみです

「書店だと、ぶらりと人が入ってきて、何も話さずに帰っていくことが多いでしょう。でもここは、本を買わずとも立ち寄れる場所で、しかもバースタイル。お酒を飲めて、ちょっと気持ちもオープンに。話も弾みます」

毎回、「そば」や「寄せ植え」といったテーマを設定し、それに合わせたトークショーやワークショップを同時開催。さらに、テーマに沿った本も並びます。

トークショーなどが終わったら、本を読んだり、食事やお酒を楽しみながら、各人自由に過ごせます。気に入った本があれば、もちろん購入も可能ですよ。

参加費は1000~4000円程度(食ベ物と飲み物付き)。
スケジュールなどは大喜書店のfacebook
https://www.facebook.com/daikibookstore)で確認を。

面白さが分かる人が、もらえます!

本の魅力を話しているうちに、相手がどうしてその本を読んだかなど、その人の背景も知りたくなるようです

読んで面白かった本は、その面白さに共感してくれる人にすすめたい、もらってほしい!

「京都ヒトマナビカフェ」(下京区四条通烏丸西入ル 第3田源ビル4階)で行われている「コリーディングカフェ」は、まさに、それが実現できる場所。参加者は好きな本を持ち寄り、その本の魅力について、ほかの参加者と1対1で、10分程度話をします。

全員と話をし終わったら、参加者はどの本が欲しいかを投票。本の持ち主は、結果を見たうえで、誰に自分の本をあげたいかを決めます。「読みたい」という気持ちと「読んでほしい」という気持ちの橋渡しをするのが「コリーディングカフェ」なのです。

取材に訪れた日に集まっていたのは20~30代の4人。記者が見学をしていて驚いたのは、初対面にもかかわらず、すぐに話が盛り上がること。どんな本かということに加え、普段読んでいる本は? ほかにおすすめの作家は? そんな〝本トーク〟に花が咲いていました。

「共通の話題があるので話しやすかった」という参加者が話す通り、読書好きであるという共通点がお互いの距離をぐっと近くにしてくれているようです。

次回は9月23日(祝・火)午前10時30分開催予定。先着20人。参加費1080円。
申し込みは、京都ヒトマナビカフェ=TEL:075(255)5310=へ。

〝みんなの居場所〟を活性化

「居場所いいばしょ」代表の岡田泰弘さん、人見國裕さん、平井健さん(左から)。ここ、「まちの学び舎ハルハウス」には、子どもから大人まで楽しめる本がそろっています

コミュニティーカフェ「まちの学び舎ハルハウス」(北区紫野十二坊町16-16)の本棚にある、およそ30冊の絵本や分厚い小説。これらは、市民グループ「居場所いいばしょ」のプロジェクト「ことしょ」の本です。

「もともとは、『京都市未来まちづくり100人委員会』の、誰もが気軽に集まれる〝居場所づくり〟から始まった企画。その居場所をより魅力的にするために、各家庭に眠っている本の寄贈を受けて設置するというアイデアから生まれたのが『ことしょ』です」とは、同委員会の委員で、「居場所いいばしょ」の代表・岡田泰弘さん。

一昨年の秋から企画がスタートし、「まちの学び舎ハルハウス」のほか、「東山いきいき市民活動センター」「新大宮みんなの基地」「中京区役所朝蜂カフェ」の4カ所で取り組みが行われています。

場所によって冊数は異なりますが、多いところでは、200冊ほどあるところも。本は持ち帰って読んでも、その場で読んでもOK。誰もが自由に利用可能。

「それぞれ、どんな人が訪れる場所なのかを考えて本のジャンルや内容を決めています」(岡田さん)とのことなので、4カ所を回ってみるのもおもしろそうですね。

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