ホーム > > 特集:社会・生活 > 奥深き、竹の世界

奥深き、竹の世界

製品には、〝しなやかさ〟〝強さ〟が生きています

竹をカマで2つに割ってから、ナタでさらに細く割っている中川裕章さん。「竹のしなやかさ、柔らかさが使い手に伝わる製品を作っていきたい」

「竹は空洞だから加工がしやすい、そして縦方向に繊維が入っていて、しなやかだから割れにくいという点が特徴です。0.2~0.3mmまで薄くでき、製品にしても強度が落ちません」と「竹又 中川竹材店」の中川裕章さん。江戸時代から続く竹の加工会社で、現在は竹垣のほか雑貨なども製作しています。

「竹は、カゴといった生活用具のほか、すだれや寺院の庭の垣根などに利用されてきた身近な材料。町家の土壁の中にも竹を編んだものが使われてきました。京都では、昔からお花やお茶が盛んということもあり、花いけや、茶せん、茶しゃくも竹で作られています」

野菜カゴ、ビアカップはマダケを火あぶりで白竹にして作ったもの。右は花いけ

同社で使うほとんどの竹が京都産。その8割が小ぶりで上品な雰囲気のマダケで、太い竹が必要なときはモウソウチクを使うそう。竹そのものには地域的特徴はないものの、加工技術には特徴があるそう。それが〝火あぶり〟という方法です。

「火であぶって、竹の水分と油分を出して、布でふき上げます。1カ月もすると、きれいな白色の〝白竹〟ができます。つやも出るんですよ」

10月は、竹林が会場のイベントへ!

以前行われた手作りの竹あんどん展示の様子。美しい細工が人気を集めたそう

見て、触って、遊んで「長岡京竹あそび」

長岡京市で活動する6つの放置竹林の整備団体が中心となって行われるイベント。竹工作体験や竹の道具を使った競技「竹リンピック」といったユニークな催しも。夜には放置竹林で伐採した竹にロウソクを入れた「竹あかり」で、竹林がライトアップされます。

  • 【日時】10月10日(土)正午~午後8時
  • 【場所】長岡公園一帯(長岡天満宮内)
  • 【問い合わせ】長岡京竹あそび連絡協議会事務局=TEL:075(957)6169

十二単(ひとえ)をまとった〝かぐや姫〟が、あんどんのあかりが包む寺戸大塚古墳に現れます

竹林を幻想的にライトアップ「竹の径・かぐやの夕べ」

竹筒に入れた水にろうそくを浮かべた約4500本の「竹行灯(あんどん)」で、竹の径と竹林公園を彩ります。手作りのあんどんや竹作品なども展示されます。当日午後2時~8時30分は、京都市洛西竹林公園駐車場で竹細工やキャンドルのワークショップ、マルシェなどが開催される「竹結びフェスタ」もあり。

  • 【日時】10月17日(土)午後5時30分~8時30分
  • 【場所】竹の径、第6向陽小学校周辺、京都市洛西竹林公園
  • 【問い合わせ】向日市観光協会(事務局:向日市産業振興課内)=TEL:075(931)1111

このページのトップへ