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小学生にもおばあちゃんにも、身近なカフェ

大映通り商店街にある太秦マーケットに、この7月登場した「うずキネマcafe」。右京区のNPO法人が運営しています。商店街の新たなくつろぎスペースを目指す、このカフェを訪れました。


商店街の道路に面した開放的な店構え。自転車に乗ったまま、テークアウトの注文をする人も。入り口は段差がなく、バリアフリーなのがうれしい

太秦マーケット内で空いていた店舗を利用してできた「うずキネマcafe」。扉や壁はなく、オープンカフェのような雰囲気です。その隣には鮮魚店、洋品店、生花店が軒を連ね、「ドリンクができるまで『魚見てくるわ』なんてお客さんもいますよ」と店長の松田路恵さんが話すように気楽さが漂っています。

同店を運営しているのは、地元のNPO法人「子育ては親育てみのりのもり劇場」。“子どもからお年寄りまでつながって、きずなが広がっていくこと”をモットーに、親子で楽しめる遊びや手作り市などを企画してきました。「お店を開くのは初めてで、きっかけは、京都府からの緊急雇用対策事業の委託でした。スタッフで話し合って、主婦の雇用の機会になり、街の活性にも役に立てるような空間をつくろう、となったんです」(松田さん)

もちもちのいか焼き、“家庭の味”がよーく染みたおでんや豆腐入りのあげパンなどが人気。もちろんすべて手作り。ドリンクも豊富

左官仕事から看板、テーブルまで手作りで

“ふっと立ち寄れて、くつろげる”。そんなテーマで作り始められたカフェは、「実は、左官仕事もテーブル作りも、内装は全部自分たちの手で。看板も手書きなんですよ」と松田さん。緑と茶色をベースにした店内には手作りならではの温かさがあふれています。

看板メニューには、何でも100円のおでん、いかのベタ焼き140円〜、うずまき型のフライドポテトは150円、とラインアップも値段も“カフェ”には意外なものばかり。「テークアウトもできて、低価格なもの。そして、誰でも気軽に食べられるものを」というのがその理由です。

実際に開店してからは、かき氷を目当てに100円玉を握りしめた小学生、おでんを夕飯のおかずに持ち帰る主婦、病院帰りに電動の車いすごと入店して一服する高齢者など、さまざまな人が訪れています。店にいた小学生とおばあちゃんが、自然と話しはじめるなど、世代を超えた交流も生まれているそう。取材時に会った、初めて訪れたという西京区の女性は、「こんな店できたんや。商店街を通る楽しみが増えたわ~」とうれしそうに話してくれました。

今後の意気込みを松田さんに聞くと、「地元の人がほっこりできる場として、少しずつ成長していきたい」とのこと。早くも「いつか2号店を」なんて話題もスタッフの中で出ているのだとか。
カフェは午前10時~午後5時ですが、夕方6時~11時はバーとしても営業。会社帰りのサラリーマンのくつろぎにも一役買っているようです。
日・祝休み。今後は映画の上映なども企画中だそう。
TEL:075(871)6556

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