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障がいのある人もない人も「アトリエあや」で笑顔に

バリアフリーが社会の中で積極的に進められていますが、障がいがある人が気軽に利用できる施設はまだまだ多くありません。そんな中、地域の中に誰もが利用できるふれあいの場を、との思いで今年8月に誕生した「アトリエあや」(長岡京市)におじゃましました。



のどかな住宅街の集合住宅の一室にある「アトリエあや」。入り口の段差のあるところにはゆるやかな傾斜がつけられ、車椅子でもスッと入ることができます。スタッフの「どうぞどうぞ」という言葉にうながされ、記者が中に入ると、居間に椅子とテーブルがちょこんとスタンバイ。ここはいつもおしゃべりコーナーとして活用しているそう。

部屋の一角には絵画やハンカチ、ちりめん小物、編み物、ステンドグラスなど、プロのアーティスト8人の作品が並んでいて、販売もされています。椅子に腰かけながらおしゃべりをしていると、誰でも気軽に入ってこられるように開け放たれた玄関から、初秋の心地よい風が吹き込んできました。

ゲームの流れ展示コーナー。愛らしい表情のイラストや小物の繊細な手仕事に心が和みます

「最近は特にさびしい思いを抱えながら過ごす人が多いですよね。ここを通じて“みんな一人じゃない”ってことを伝えたい」(左から木村さん、山田さん、忌部さん)


あらゆる人々が集まれる場所を

このアトリエをつくったのは長岡京市に住む山田絢子さん(64歳)。脳性まひで小さなころから体が不自由なため、車椅子での生活を続けています。

「今でこそ障がい者の理解が浸透してきていますが、私が生まれた約60年前はそうではなく、外に出ることすら自由にできないほどでした」(山田さん)
幼いころからの経験と、当時は住んでいる長岡京市に福祉会館がなかったことから「障がいのある人も、そうでない人も分け隔てなく集えるサロンのような場所を自分でつくりたい」、いつしかそんな夢を抱くようになったそうです。

そんな山田さんが車椅子で出かける途中、いつも声をかけてくれていたのが、地域で障がい者のカウンセラーをしていた忌部(いんべ)美奈子さん(59歳)でした。
仲良くなるにつれ、山田さんのアイデアに忌部さんが協力する形で、この夏、念願のアトリエをオープン。飲みものは山田さんが缶ジュースやコーヒーを自宅から用意し、運営も無理のない形に。山田さんの友人でサロンのお世話役を引き受けた木村美智子さん(60歳)らスタッフ同士で時間を調整しながら、常に2人はサロンにいるそうです。

「おしゃべりできるサロンがあるといっても最初は入るのに勇気がいるでしょう? でも作家さんの作品があればそれをきっかけに足を踏み入れてもらえるし、話のネタにもなりますよね」と忌部さん。山田さんや忌部さんと親交のあるアーティストの作品を並べて、アトリエというスタイルにしたのは、そのような理由があるようです。

自分の夢は自分でかなえる!

「体に障がいがあることで何度もつらい思いをしましたが、常に“自分に負けるな”と言い聞かせてこれまで生きてきました。自分の夢は自分でかなえるもの。この場所にもっとたくさんの方が訪れたり、たくさんの作品を置いたり、その場でつくったりできるようになれば」と、笑顔で話す山田さん。ひたむきに自分の人生と向き合うその姿勢に記者も元気を分けてもらいました。どんどんふくらむ山田さんの夢のアトリエに、あなたも立ち寄ってみませんか。
開所時間は、毎週月・木・土曜の午前10時~午後3時30分。荒天時は休業の場合があるので、事前に電話で確認を。

●長岡京市長岡1丁目13─1 
桔梗苑フラット1階、問い合わせは
TEL:080(6218)2140(山田さん)

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