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町中でホタルが見たい!

水辺で夢をかなえる活動が進行中
町中でホタルが見たい!

6月に入り、そろそろ、ホタルが各地で飛びはじめますね。京都の町中の水辺で、ホタルを呼び戻す地道な活動が続けられているのを知っていますか。家族でフラリと散歩に出たら、ホタルが飛んでいた─。なんて声が聞けるのも近いかもしれません。

子どもたちに自然を取り戻す体験をしてほしい

京都堀川ほたるプロジェクトの皆さん。ホタルが育成されているのは、堀川の一条戻橋から元誓願寺橋のあたり。ここは改修工事の際も、住民の希望で昔から生えている樹木を切らずに残されています。同会ではメンバーも募集中。問い合わせは、藤田さん=TEL:075(441)7937

戦後、川の氾濫を防ぐため、コンクリートで固められた京都市内の「堀川」が、水の流れる親水公園として整備され、復活したのは、2009年のこと。2010年には、堀川沿いにある9つの学区で「京都堀川ほたるプロジェクト」が結成され、この2年間、ホタルが育つ川辺づくりが町の人の手で行われてきました。

「いよいよ今年、生き物がいなかった川に初めてホタルが飛ぶかもしれません」とは同会会長の藤田美雄さん(72歳)。 

藤田さんが子どものころの堀川には、西陣ならではの生活排水として、友禅染の染料が流れていたとか。「堀川で遊んで、川に入るとズボンに染料の色がつくんです。それを見てみんなで笑ったり、楽しかった」そう。「形が変わっても、堀川には町の人の歴史が詰まっています。今の堀川は、私の子どものときの堀川とは違うけど、改修工事の時に、行政も住民も皆で何度も川のあり方を話し合い、考え続けて出来上がった川。愛着があります。これから育つ子どもらには、堀川のホタルを通じて、都会の中でも自然を取り戻していけることを体験してもらえたらと思っています。そして、川を大切にする気持ちをもってほしい」

同会では1月に、西陣中央校区・新町校区・二条城北校区の子どもたちと、“ホタルの生活と一生”についての学習会を開催。その後、ホタルの幼虫を堀川に放流しました。さて、今月ホタルが堀川を舞うかどうか、楽しみですね。

観察結果をマップに しています

ホタルの幼虫(左)。6回ほど脱皮をしてさなぎになり、成虫になります。幼虫のエサは巻き貝のカワニナ。カワニナ(右)が育つ川にホタルも育ちます

北白川疏水では、竹炭を使って水を浄化したのをきっかけにホタルが増えたそう

京都ほたるネットワーク会長・村松光男さん

「もともと川は生活用水として使われていましたが、上下水道が整備されて、川と生活の関係性が変わりました。昭和40年代にはゴミが捨てられる川が増えて、川の美化活動をする延長線で、私の場合はホタルの育成をはじめました」と話すのは、京都ほたるネットワーク会長の村松光男さん(75歳)。

水辺で、生き物と人が共生するきっかけを考えさせてくれる生き物として、注目したのが、かつて都市河川に当たり前にいたホタルを呼び戻す試みだったそう。京都の河川で環境保全の活動をしている団体には、ホタルを保護するグループも多く、その約20団体で「京都ほたるネットワーク」を結成。毎年、観察結果を持ち寄って情報交換し、ホタルの飛行状況を「ほたるマップ」としてもまとめています。3000匹から50匹以下まで、地域によって飛行状況もさまざまですが、将来的には小学校などでの環境教育に役立てることも考えています。

「ホタルが育つのは、川の水が命の源になっているから。今は、自分が使った水が繰り返し使われていることが、見えにくい時代です。ホタルが飛ぶ姿を通じて、人間も水のありがたさ、大切さを実感できる機会になれば」と村松さん。

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