ホーム > > 特集:おでかけ > ヘビにまつわる寺社巡り

2013年巳年にちなんで…
ヘビにまつわる寺社巡り

来年は巳(=ヘビ)年。ニョロニョロとして、人気者…とは言いにくいものの、民話や寺社にヘビが登場する話はいくつも残り、昔から私たちの身近な動物であったよう。そこで、京都にあるヘビにまつわる寺社を訪ねました。

たたいて怒らせると雨になるかも

大田神社

橋のたもと、水の中に見える「蛇の枕」。石は大小3つあります

上賀茂神社の摂社で、5月にはたくさんのカキツバタが咲くことでも知られる大田神社。

鳥居の前にある小さな橋を渡るとき、本殿に向かって右側の水面をのぞくと、石が3つ見えます。これが「蛇(じゃ)の枕」「雨乞い石」と呼ばれる石。ヘビは雨を降らせる生き物とされていて、この石を農具などでたたくと、枕をたたかれたヘビが怒って雨を降らせるという言い伝えがあるそう。

「この辺りでは、昔から京野菜が栽培されています。雨を望む農民の気持ちが表れたのでは」(上賀茂神社の権禰宜・高井俊光さん)

北区上賀茂本山340
TEL:075(781)0011(上賀茂神社)
日の出~日没。

触ってもOK!ユニークな姿の神様

三室戸寺

ぐるぐると、とぐろを巻いたヘビの上に、ほほえんでいるような翁の顔が

村人に殺されそうになったカニを村の娘が助けると、今度は娘がヘビに連れ去られそうになったとき、カニが娘を助けてくれた。娘はそのお礼にと三室戸寺に、頭は翁(おきな=老人)、体はヘビの姿をした五穀豊穣(ほうじょう)の神「宇賀神」を奉納したのだとか。

これは江戸時代から伝わる民話。この話にちなんで昨年境内に安置されたのが、1m20㎝の大きな「宇賀神」です。

「しっぽをさすれば金運、ひげをなでれば健康長寿、耳を触れば福が来る」といわれているそう。

宇治市菟道滋賀谷21
TEL:0774(21)2067
大人500円/子ども(6~15歳)300円
午前8時30分〜午後4時。
※拝観最終受け付けは閉門時間の30分前まで

芸能の女神の使いとして

出町妙音堂

拝殿にある白ヘビの置物。ほかにも絵が多数並んでいます

鴨川と桝形商店街の間にたたずむ「出町妙音堂」。

琵琶の宗家・西園寺家伝来の「弘法大師筆妙音弁財天画像」を本尊とするお堂です。弁財天は音楽など芸能のつかさどる女神で、境内にはその使いとされるヘビの絵や置物が至る所に…。

実はその多くは、以前こちらの堂守りを務めていた人物が画家で、自ら描くなどして奉納したものだとか。芸能の女神を祭っているだけに、アーティスチックな雰囲気も納得です。

上京区河原町通今出川上ル一筋目東入ル
TEL:075(241)2454
日の出~日没。

カメと一緒に京都を守る!?

玄武神社

本殿に置かれた石像。ヘビがカメに巻きつき、顔を見合わせています

京都の北の守り神「玄武」。この名前を持つ玄武神社には絵馬や本殿に置かれた石像に、その姿を見ることができます。それがカメにヘビがからみついたもの。

「カメは長寿、ヘビは商売繁盛を表すといわれますが、なぜカメにヘビがついているのか。カメとヘビを対(つい)とする考えが古くから存在したようで、カメがメス、ヘビがオスという説もあるそうです」と宮司の椙本貴子さん。よく見ると、カメとヘビは向かい合っています。はたして、にらみ合っているのか、見詰め合っているのか。これぞ神のみぞ知る?

北区紫野雲林院町88(猪熊通北大路下ル)
TEL:075(451)4680
※拝観は自由ですが、本殿の扉は、夜間閉まっています

このページのトップへ