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住民が作ったマップで、太秦を“再発見”

2011年9月~2013年3月に取り組まれた、太秦地域のマップ作り。地元の人が作る、地元を知るための一冊として、3学区の住民たちが、熱い思いを込めました。これであなたも“太秦通”かも?

「昔はようこの川で遊んだわ」「ここではザリガニがとれるねんで」。そんな幼いころの話に花が咲く3人は、「てくてく太秦MAP」の製作メンバー。「観光目線ではなく、地元の人のためのマップを作りたい」と、太秦、南太秦、嵯峨野の各会長がリーダーとなり、学区の垣根を越えた1つのマップを作りました。

開ければA2サイズ(A3の倍)、畳めばA5サイズのこの中に、4つの街歩きコースと各学区のアピールポイント、川や田畑にすむ生き物の話などがギュギュッと。完成するまで、20回以上のワークショップや街歩きを重ねたそうです。

「いざ作るとなっても、どんなふうにしたらいいのか分からなかった。だから、いっぺん歩いてみましょか!ということで、メンバーと街を歩いたんです」と南太秦自治連合会・会長の高岡宏行さん。お地蔵さんや井戸の跡地など、実際に歩いたからこそ気づいたスポットがたくさんあったのだとか。

「でもな、載せたいところが多すぎて、それはそれで悩んだんやで」と、太秦自治連合会・会長の市田悦万(よしかず)さん。そこで、「名前は聞いたことがあるけれど、どこにある?」などの声を参考に、厳選されたそうです。

街を知ることや、ご近所付き合いのきっかけに

完成マップを手にする各会長。左から南太秦の高岡さん、太秦の市田さん、嵯峨野の石田さん。高岡さんは実際にこのマップ片手に家族で街歩きをしているそう

マップ作りも大詰めとなった1月20日、完成直前の散策コース案をもとに、地元住民との街歩きが行われました。

「そこで初めて会う人もいたんやで」と嵯峨野自治会連合会・会長の石田正夫さん。この催しをきっかけに、周りの住人と交流する人が増えたことがうれしかったとか。「最近引っ越してきた人やマンション住まいの人などが増え、周りとの交流が希薄になりつつあるからこそ、このマップで交流をし、そして自分の住む街を知ってほしい」(石田さん)

街を歩くことで、「ここにこんなんがあったんか」と気付いたり、「昔はここに水車があってな」などの昔話を聞いたり、観光マップでは知ることができないような太秦を、いろいろな視点で“再発見”できそうですね。

せっかく作ったこのマップを活用していきたいと、各学区では催しを考えているそうです。

「てくてく太秦MAP」は右京区役所地域力推進室で配布されています。

4コースのうち、実際に記者が「思い出の太秦コース」を歩いてみました!

「南太秦のお地蔵さん」→「オスカー像」・「大映株式会社京都撮影所」碑→「三吉稲荷」

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