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木の食器作りを実施している「父活プロジェクト」を訪ねました
“モノづくり”がお父さんの交流のきっかけに

育児を楽しむ男性“イクメン”が増えていますね。伏見では、モノづくりを通して父親が交流する活動「父活(ちちかつ)」が進行中だとか。主催するのは、その名も「父活プロジェクト」。子を思う気持ちが、プロジェクトの原動力のようです。

もともとはプロジェクトの企画の参加者だったという代表の西森寛さん(写真中央)。
現在は、設立者の吉永一休さん(同右)と荻原麻耶子さんの3人で運営

モノづくりが苦手でも職人と一緒ならできる!?

紙やすりを丹念にかけ続け、周囲は木の粉だらけに。木工職人の阿部さん(右)から「これくらいツルツルならOKですよ」とお墨付きをもらって一安心の木原さん一家

「父活プロジェクト」は、モノづくりを通して父親が交流できる場として3年前に設立されました。当初は、父親が子どものために作るおもちゃなどをテーマに、プロジェクトのメンバーが指導。この4月からは、参加者の一人だった西森寛さんが代表を務めています。

「モノづくりの経験があまりなくても、職人さんや専門家と一緒ならできることがあると思っています」

今年度は、〝食〟をテーマにワークショップが開催されています。

「親と子のコミュニケーションのきっかけとして、木の食器づくりを企画しました」と西森さん。2歳の娘を持つ父親でもある西森さんは、「食事は、家族で一緒に過ごす大切な時間。自然に関心をよせながら、子どもと一緒に食生活を楽しんでいきたいですね」。

そのワークショップ「お父さんが木の食器に出会う3日間」の2回目が実施されると聞き、会場を訪ねてみました。「父活プロジェクト」には、父親はもちろん母親、これから親になるという人なども参加OKとのことで、夫婦で参加している人もいましたよ。

木皿に紙やすりをかけて子へのメッセージを刻印

ままごとで作った料理を運んできた辻知夏ちゃん(2歳)。「お皿が完成するまで、ちょっと待っててな」。笑う母親の桃子さんと一緒に、やすりがけにも挑戦

ザ、ザ、ザ…。

木皿に、紙やすりをかける音が部屋中に響きます。

ここは、つどいの広場「稲荷の家ほっこり」(京阪「伏見稲荷」駅から南へ徒歩約8分)の2階。参加者が手にしているのは、それぞれ形の違う木の皿です。といっても、食器としてはまだ完成していません。1回目のワークショップで、クリ、クルミ、ミズナラの3種類から好きな木を選び、皿の形もデザイン。それに基づき、講師で木工職人の阿部芳朗さんが加工したものです。

紙やすりを丹念にかけ続け、木肌がツルツルになったら、裏に焼きペンを使って思い思いに文字などを刻印します。

参加者の木原さん夫婦がチョイスした木はクルミ。妻の麻沙子さんに誘われて来たという夫の大輔さんは、苗字の一文字をとって「木」。「いっぱい食べよう」と書いた麻沙子さんは、「おいしいものを作ってあげたい、いいものをたくさん食べて育ってほしいと、思っています」。傍らのプレースペースでは、娘の莉里ちゃん(4歳)がおままごとの真っ最中です。

西森さんの手には、ミズナラの木皿が。日付や名前の横に、葉のイラストを刻印していました。「成長した娘にミズナラについて聞かれたら、答えられるようになっておきたいですね」

今後は、設立当時のおもちゃづくりを復活したり、地域の文化とつながるような催しにも取り組んでいきたいとのこと。“父活”がさらに広がっていくのが楽しみですね。

第3回ワークショップ「木のスプーンづくり+食事会」=11月24日(日)午後1時~8時。「稲荷の家ほっこり」にて。参加費1人2000円。参加希望者は11月20日(水)までに、メールか電話で連絡を。父活プロジェクト・西森さん=TEL:050(3630)8188、MAIL:info.chichikatu@gmail.com=へ。

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