夫と妻の冬の陣 食卓バトル

“好みの違い・要望” 私たちは、こうしています

1面で紹介したように、夫と妻の間には、味の好みや、品数、献立…さまざまなギャップや
要望があるようです。続いて2面では、読者のリアルな食卓事情を紹介します。

天ぷらにソース、食パンにめんたいこ、互いの好みを理解し合って

洋風の味が好きな夫と、和風の味が好きな妻。こんな組み合わせだと食卓はちょっと困ったことに? 磯部貴志さん・亜衣さん夫婦がこのコンビなのです。

天ぷらにソースをかける夫を、「ソースもちょっとスパイスがきいた辛いタイプが好きみたいです」と亜衣さん。隣で食パンにめんたいこを塗ったトーストを見て、「食べる勇気ないな~」と貴志さん

何にでもウスターソースをかけて、味を少し洋風にしたいのは貴志さん。「天ぷらのほか、以前は野菜サラダにもウスターソースをかけていました。味付けされているおかずにも、食べている途中でちょっとかけたりしますよ」

これに対して、「味が変わるほどたくさんかけるわけではないのですが、見ていて違和感はあります」と、亜衣さんはしぶしぶ容認。

逆に、亜衣さんの好みに貴志さんが「えっ!」と思うことも。「食パンにめんたいこを塗ったり、アボカドとノリのつくだ煮を混ぜたペーストを塗ったり。私は和風のものをパンに塗って食べるのが好き。ふりかけをかけるのもおいしいんですよ。夫は気持ち悪がりますけど」(亜衣さん)

「相手の好みを“ちょっと変わってる”とは思いますが、それぞれの味を、無理に押し付けたりはしません。それが円満に食卓を囲むコツかな」と貴志さん。嗜好(しこう)の違いを尊重し合うということも、大切なことですね。

毎日夕飯は5品が基本。手抜きならぬ“工夫”が仲良しの秘けつ

実家では、大皿から取り分けるのではなく、小皿で一人分ずつ用意されている食卓だったため、6年前に結婚してからもそのスタイルを継承しているという亥野美和さん。

「料理は好きですが、品数を用意するのは時々面倒だなと思うことも。でもなるべくいろいろなものを食べてもらいたいし、自分自身も慣れたスタイルなので続けていくつもり」と亥野美和さん

「カレーとか、オムライスとか、一品でボリュームがあるようなメニューは、昼食で食べるようにして、夕飯のテーブルにはご飯、汁物、主菜、副菜2品の計5品を食卓に並べるようにしています」

もともと夫からの要望というわけではなかったはずの“夕食5品”というルール。ところが美和さんが疲れていたりして、時折“手抜き”をすると、さりげなく指摘されてしまうのだとか。

「副菜が一品少ないと、『今日これだけ?』と言われます。カットしただけのトマトやゆでたトウモロコシを出したときには、夫にとっては“おつまみ”的な存在みたいで『これで1品?』と(笑)。夫は軽い気持ちで聞いているだけなんですけど、自分の手抜きがばれたような気がして、『やっぱり5品』と頑張ってしまいますね」

とはいえ、毎日5品を用意するのは大変では。「もちろん、副菜になる煮物は多めに作って2日分にしたりして、“工夫”はしていますよ」

好みや感想は言われなくても、ご飯のおかわりが「おいしい」のサイン…かな?

料理について、夫にほめられたり、注文を出されたり。そういったことも食卓でよく見かけるひとコマ…と思いきや、あまり意見を言い合わないというケースも。

「夫に聞いたら、『ちょこちょこ感想を言っているつもりだよ』って。私はあまり言ってもらった記憶はないんですけど」と竹内美晴さん。「もし『おいしい』と言われたりしたら、言われ慣れていないのでびっくりしちゃうかも」

「夫は食事の好みについて何も言いません。でも好き嫌いは多く、嫌いなおかずはそのまま残してしまいます。それを見て『こういうのは嫌いなのか』と徐々に分かってきました」。なるほど、さすが結婚14年目のベテランです。

「手の込んだ料理もあまり好きではないようで、テレビで紹介されたレシピとかを頑張って作ってみても、あまり食べません」。食卓に変化をつけようと努力してくれているのに、なんとも残念な結果。でもそういう美晴さんも、夫に感想を聞いたりはしないのだとか。

「『おいしい?』と聞くと、『おいしくない』という返事も聞くことになるでしょう。私自身、あまり料理が得意ではないので、あえて聞きません」。でも、やっぱり「おいしい」と言われたらうれしいですよね?「そうですね。ご飯をおかわりしたりしたときには、口にあったのかな、おいしいって思ってくれているのかなって感じます」

シリーズを通して…

「金銭感覚どう違う?」「夫婦の家事バランス」、そして今号とお送りした「夫と妻シリーズ」の最終回、いかがでしたか? この3回を通して記者が感じたのは、「夫婦といっても、もともとは他人同士。細かい価値観の違いはあって当然。みなさん試行錯誤しながら自分たちに合ったスタイルを見つけているんだな」ということ。この記事を「そうそう、わが家と同じ!」「ここが違うな」なんて、夫婦で話し合うきっかけにしてもらえたらうれしいです。

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