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約1200年前 日本の中心は向日市だった!?

桓武天皇によって784年に都が置かれた、東西4.3km、南北5.3kmの「長岡京」。現在の向日市、長岡京市、大山崎町、さらには京都市の一部までを含む広さだったのだそう。発掘調査により、その中心地「長岡宮」は、現在の向日市にあったことが分かってきました。今は形を変えて残る跡地を、スタンプラリーをしながら巡ってみませんか?

全スポットの中で一番東側にある「東院公園」(写真左)。大規模な離宮跡が見つかっているとか。写真右下は発掘時の様子

正月の儀式で宝幢(ほうどう)という旗を立てた柱跡が見つかっている「大極殿公園」

スタンプラリーの集合場所となっている「朝堂院公園」。ここから各チェックポイントへ出発! その道中も、かつては都のさまざまな建物があった場所。そう思うと、歴史ロマンを感じませんか?

チェックポイント

  • 朝堂院跡(朝堂院公園)
  • 大極殿、小安殿(大極殿公園)
  • 長岡宮史跡築地跡
  • 内裏内郭築地回廊跡(内裏公園)
  • 春宮坊(とうぐうぼう)跡(かしの木公園)
  • 東院公園(離宮跡)
  • 向日市文化資料館/午前10時~午後6時 入場無料
  • 集合とゴール地点以外の順序は自由
「大発見 向日市」 申し込み不要・参加費無料

2月9日(日)雨天決行・荒天中止
集合場所:国史跡長岡宮跡朝堂院公園(阪急「西向日」駅西口より北へ徒歩1分)
受付時間:午前10時~正午
ゴール:春宮坊跡(かしの木公園)(阪急「西向日」駅より徒歩12分)
受付時間 午前11時~午後3時

梅本康広さん

わずか10年で遷都され、その期間の短さから全容がなかなかつかめず、〝幻の都〟と呼ばれていた長岡京。

その実像をつかむきっかけとなったのが、今から60年前、長岡京市に住んでいた教師・中山修一さんが向日市で発見した「長岡宮朝堂院(ちょうどういん)南門」の史跡です。「朝堂院」とは、公卿(くぎょう)たちが政務を行う、国会議事堂のような場所。これ以降、向日市では500回を超える調査が重ねられてきました(現在も継続中)。

「『大極殿(だいごくでん)』や『内裏内郭築地回廊(だいりないかくついじかいろう)跡』なども見つかり、長岡京の政治・経済の中心地である長岡宮が、この周辺にあったと考えられるようになりました」と、向日市埋蔵文化財センター調査係長の梅本康広さん。

長岡宮の遺跡をスタンプラリーをしながら巡ろうというのが、同センター主催の「大発見 向日市」。「史跡発見後に整備されて公園へと形を変えたスポットを巡りながら、長岡宮について深く知ってもらおうと企画しました」(梅本さん)

住宅街の中に遺構が点在 都の姿を想像しつつ歩いてみて

スタンプラリーの開催よりひと足先に、遺構となる公園をまわってみました。まず向かったのは「朝堂院公園」。

公園には、盛土がされ少し高くなった部分と、地面に円形の石が等間隔で置かれた部分が。案内所に常駐しているスタッフによると、盛土の部分は数ある朝堂院の建物のうちのひとつの範囲をあらわし、円形の石は回廊の柱跡なのだそう。建物や回廊を思い浮かべながら、その場に立つと、感慨もひとしおですよ。

普段スタッフが常駐しているのは、この公園のみですが、イベント当日はスタンプラリーの全てのチェックポイントにスタンバイしていて、詳しい解説をしてくれます。

続いて「大極殿公園」に到着。ここは天皇が政務を行った「大極殿」と、控室として使われていた「小安(しょうあん)殿」の跡地です。今は住宅街の静かな公園ですが、約1200年ほど前はたくさんの客人を迎えた、まさに中心地のなかの中心地だったのですね。

当日は記者が訪れた地点を含め、チェックポイントは全7カ所。都の姿をイメージしながら歩を進めれば、向日市の新しい魅力を発見できそうですね。

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