京美人プロジェクト①:京美人て、ええなぁ

京美人の条件とは

複数コメントの上位

右の表は、読者からのコメントをジャンル別に分類したものです。もっとも多く寄せられたのは「着物が似合う」というもの。しかも、その着こなし方には品性が求められています。

あわせて着物姿で出かける先、歩く姿にも関心が寄せられていました。

京美人のイメージに近い人は?

2位の「容姿」に求められているのは、「柳腰」「なで肩」「黒髪」「うりざね顔」など日本風な美しさ。3位「京言葉とやわらかい話し方」では、ゆっくりと丁寧に相手を気遣う話し方が票を集めるなか、サラッときついことを言うのも〝京美人〟ならでは、という人も多数。

4位「立ち居振る舞い」は、物腰が柔らかく、おしとやかな所作などが多く上げられていました。「手はまっすぐ上にあげない」なんて声も。 5位と7位からうかがえるのは、表立っては、つつましやかで控えめですが、いざというときには困難に立ち向かえるたくましさを持っているということでしょうか。

京都の歴史と文化、催事などを大切にする6位「京都へのこだわり」、7位「料理が上手」ともに、日々の丁寧な営みを重視。

〝京美人〟は一日してならず、ですね。

「自分の考えを持った奥ゆかしい人」/フリーアナウンサー 岩崎裕美さん

ひすい色の着物は、「京丹後で織った生地を京都で染め、5分で着付けるための特殊な縫製方法で仕立てたものです」と岩崎さん。

フリーアナウンサーで、京都観光おもてなし大使。50歳をすぎてから、「京都のためにできることを」と、若い女性のエネルギーで京都を元気にするプロジェクト「NPO法人京小町踊り子隊」を立ち上げる。同NPO代表理事。

京都生まれ京都育ちのこだわりを「40代のときにいったん捨てました」という岩崎裕美さん。フリーアナウンサーでありながら、京都の着物産業と町おこしのために、全国のみならず世界を飛び回るように。そうして「文化や人材、京都には、すばらしいものがそろっているということがよくわかりました」。

〝京美人〟は、そんな岩崎さんが考え続けているテーマでもあります。

「深い心遣いが人をひきつける―。そういう奥ゆかしさを持っている人。そして、感情に左右されず、自分の考えをきちんと持っている。そうでないと、心が乱れて、人に対して心を遣うなんてできないですよね。

さらに言えば、ハレとケ(※)をうまく使い分け、日常の生活のなかにメリハリを持たせ、精神を豊かにすることを心がけている人じゃないでしょうか」

読者アンケートで多く上がった「着物姿が美しい」については、「立ち居振る舞い、表情、言葉遣いがそろわないと、着物姿は美しくありません。茶道や華道をたしなむ人の多い京都は、よいお手本が身近にたくさんいますね」。

※特別な日と日常

「京都の女性は〝節目〟を大切にする」/エッセイスト 葉石かおりさん

仕事柄、着物を着ることが多い葉石さん。「背筋が伸びて、シューッとするのが気持ちいい」

エッセイスト・酒ジャーナリスト。全国の酒蔵を巡り、各メディアにコラムを寄せる。著書に「おひとりさまの京都」(ブックマン社)など多数。近著は「京都開運水めぐり」(主婦の友社)。西陣「宮崎織物」のおかみとしても、手腕をふるう。

「『一見さん、お断り』って、決していじわるで言ってるんじゃないんですよね。お客さんのことをよく知ってから、その人に合ったおもてなしをしてあげたい―。そういうことなんだって、京都に通うようになってからわかりました」

葉石かおりさんは、東京と京都に居を構え、執筆業に従事しながら、京都の呉服商のおかみとしても活躍しています。

「京都の女性は、心遣いが、とてもきめ細やかですね。そして、季節の行事ごとを大切にされている。たとえばお正月明けの七草がゆなんて、東京にいると仕事始まりでバタバタしている時期でつい流してしまいがち。でも、京都の(彼の)お母さんは、ちゃんと朝からおかゆをたいて出してくれるんです。節目を大切にする、京都のすてきなところだと思います」

生活の中に、文化が根付く京都。それを実践し、受け継いでいく女性たちに「ほかとは違う」美しさを感じるそうです。

「心が美しくないと美人とはいえない」/茶人 ランディー・チャネルさん

カフェに立つときは、アロハシャツ姿で陽気な雰囲気。着物姿でお点前をする厳格なイメージとは一線を画します

京都在住のカナダ人。武道を学ぶために来日し、文武両道の精神から茶道を始める。1993年に京都へ。裏千家の茶名は「宗榮」。裏千家教授の資格を持ち、気軽に抹茶を楽しめる場所として和カフェ「らん布袋」をプロデュース。

「美人のとらえ方はアートと同じで、自分の好みが大切。英語のことわざでいうと『Beauty is in the eye of the beholder』(美は見る者の目に宿る)。見る人によって、美人の基準は違うもの、美は心の中にあります」と、カナダ出身のランディー・チャネルさん。

それでも「女性の所作や歩く姿、姿勢を見て、美しいと感じることがあると思います。これは、内面から出てくるもの。稽古でさまざまな作法を身に着ける茶道の世界には、美しさの要素が数多くあります」

茶道が縁で京都に来て21年目、茶人としての思いも。一見しただけでは測れない、日々の積み重ねや内面からにじみだすような美しさは、茶道の文化が受け継がれる京都の美意識に通じるものがありそうです。

「京美人というと、着物姿を思い浮かべる人が多いと思いますが、心が美しくないと美人とはいえない。ぼくは、自信を持つことが大切だと思います」

京美人プロジェクト

今号からスタートした、京美人プロジェクト。読者のみなさんや京都で活躍する人たちの声から、京都で暮らす私たちが考える、京美人像が浮かび上がりました。次回、6月に予定している特集第2弾では、京美人に近づくための紙上レッスンの1回目を予定しています。このプロジェクトに私も参加したいという、読者の方はメール、またはファクスで住所、氏名、連絡先電話番号(メールまたはファクス番号)を明記して、編集部までご連絡ください。
メール  ファクス:075(212)8858

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