ホーム > > 特集:ひと > 京美人プロジェクト②:立ち居振る舞いは はんなりと美しく

京美人プロジェクト②:立ち居振る舞いは はんなりと美しく

4月から始まった「京美人プロジェクト」。第2弾は、〝京美人の要素〟として読者の声が多かった「立ち居振る舞い」を美しく見せるための紙上レッスンです。ちょっとしたコツを身につければ、〝京美人度〟がぐんぐん上昇しますよ。

「美しい姿勢」がすべての動きの基本に

今回の講師=柾木良子(まさき・りょうこ)さん
京都生まれ、京都育ちで「京都大好き」。学生時代に染織を学び、卒業後は、CMやテレビ番組に出演、雑誌「美しいキモノ」のモデルなども経験。現在は、京都・北山を拠点に、着物教室を主宰、着物のイベントやデザインなど幅広く活躍中

「姿勢がしゃんとしていて、着物が似合う」「着物姿で、身のこなしがおしとやか」といった読者の声に表れているように、京美人における着物と立ち居振る舞いの関係は濃厚です。

「着物を着たときの身のこなしを、ふだんの洋服での立ち居振る舞いに応用すれば、自然と美しく整います」と話すのは、着物ライフプロデューサーの柾木良子さん。

動きやすい洋服と違って、着物は動きが制限されると感じたことがある人は多いのでは? 

「襟元や裾がはだけたり、たもとからじゅばんがのぞいたり、着物が着崩れると見苦しいので、自然と動くときは気を付けますよね。例えば、しゃがむときに裾がはだけないように軽く手を添えるのは、着物の裾が地面について汚れたり傷んだりしないための工夫でもあります。着物を着たときの立ち居振る舞いは、美しさだけでなく、実用性も兼ね備えているんです」

なるほど! そこで、着物モデルの経験もある柾木さんに「〝京美人な〟立ち居振る舞い」を教えてもらいました。

まず、すべての動きに共通するのが「上半身の姿勢」。美しい姿勢を保つために、次の3ステップを実行しましょう。

①左右の肩甲骨を寄せるようにして胸をはります
②あごを上げすぎずに首をのばし、頭のてっぺんを糸で釣り上げられるようなイメージでキープ
③下腹部の丹田に力を入れる

「最初は慣れないかもしれませんが、美しい立ち居振る舞いが身につくまで、一つ一つの動きを丁寧に行うよう心掛けてください」とのこと。

続いて、「立つ」「歩く」「座る」「食べる(飲む)」の4つのシーンに分けてコツをピックアップしました。

立つ/ひざとおしりがポイント

昔から、美しい人のことを「立てば芍薬(しゃくやく)」と花の姿に例えたように、立ち姿の美しさは京美人にとって大切な要素です。前述の基本となる上半身の姿勢を保ちつつ、ひざとおしりに注意してみて。

  • ひざの位置は、軽く前後に重なるように足を閉じ、足元は、片方の土踏まずにもう片方のかかとが当たるぐらいの位置に
  • おしりの穴に力をキュッと入れる


「足を大きく開いて立つのは、体育の〝休め〟の姿勢。猫背で立っているのも、美しくないですね。街中などでは、ショーウインドーに映る自分の姿をチェックしてみてください」

ゆかたを着る機会が増えるこれからの季節。「ゆかたや着物を着るときは、特に足を開いて立つのはNGです」

立っているときは、体のあちこちを意識しやすいですね。まずは、立ち姿から美しく─、始めてみましょう。

歩く/ライン上に足を運ぶイメージで

猫背でだらだら歩いていると、なかなか京美人度も上がりにくそう。年齢にかかわらず、歩くときは、「上半身の姿勢」を保ちつつ、ひざの裏側を意識することが重要なのだそう。

  • 自分が歩くラインを1本だけ想定し、前方に目線を置く
  • 着地する側の足は、ひざの裏側の筋をのばし、かかとから着地


「ひざが曲がっていると、腰の位置も落ち、背筋も伸びません。魅力的にも見えません。歩幅が広くても狭くても、①②を心がければ、様になりますよ」

ゆかたのときは、「左右のひざの内側をすり合わせるように歩きます」

そうすることで、自然と歩幅は小さくなるそう。「階段を上がるときは、着物の裾が階段の縁につかないように、少しだけ上前の褄(つま)を引き上げるといいですよ」

このページのトップへ