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あなどれないメリットがたくさん 早口言葉って深い!

子どものころに、「早口言葉」を楽しんだという人は多いのでは。実は、大人にとっても、いろいろと〝いいこと〟があるようです。脳機能、口腔(こうくう)と表情、滑舌との関係から、その奥の深さが見えてきました。

教えてくれたのは

京都大学医学研究科教授の福山秀直さん。高齢化社会における認知症など、社会と人の関連性を考える「社会的脳機能」について研究

言葉を探すこと、やる気を持つことで〝働く脳〟に

「普段しないことに挑戦すると、脳の働きを促すことにつながります」と話す、京都大学医学研究科教授で同大附属脳機能総合研究センターの福山秀直さん。

「早口言葉を話す際、言葉を整理するために、脳は普段の会話のときよりも活発に働きます。そうすると、思考力を担う前頭葉と記憶力の側頭葉が強く連携し、伝達システムが強固になります。特に前頭葉は、覚えた言葉を探すときによく働きます。これは、サーチ機能が脳細胞を刺激するため。早口言葉は“読む”よりも、“覚えて声にする”ほうがいいでしょう」

なくした細胞を補う細胞が発芽!?

そもそも脳は、10代後半から20代前半にかけて頭蓋骨の大きさいっぱいになり、成長のピークを迎えます。その後は、1日に何十万個という細胞が壊れていくのだとか。

「脳細胞は、すべてが使われているわけではありません。1日に何十万個の細胞がなくなっていっても、使っている部分は無事。使わない部分がなくなっていく一方で、使えば使うほど細胞と細胞のつながりは強くなります」

細胞同士のつながりが強くなることで、伝達がスムーズになるメリットもあるのだそう。

一度なくなった脳細胞が再生することはなく、わずかずつ脳は萎縮していくのだとか。

「50歳を超えると、個人差はありますが萎縮の度合いがはっきりしてきます。使わないと、脳の機能は確実に落ちますし、いずれは認知症の懸念もでてきます」

では、今から早口言葉を言うことで、脳を働かせようと思っても無理なのでしょうか?

「大丈夫ですよ。働かざるをえない状況になると、なくなってしまった細胞を補うために、違う細胞が〝発芽〟して働くことが分かっています。これは、年齢にかかわりません」

読者が考案 オリジナル早口言葉 vol.1

脳が活発に動くことで脳内の血流もよくなりますね。これも、メリットになるのでしょうか。

「脳は5%が血液です。脳の中をまんべんなく血液がいきわたっているわけではなく、血液は、必要なところに流れ、不要なところには流れません。血流がよくなること自体はいいことですが、脳の機能アップとはかかわりはありません」

脳の機能を考えると、「大切なのは、やる気。いやいややっていては、脳も真剣に働きませんよ」。

さまざまなことに興味をもって取り組むことは、働く脳への第一歩。いまさら早口言葉なんてと思わずに、まずは挑戦してみる気持ちが大切なんですね。

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