私、肩書き変えました

主婦→ネットショップの商品開発

ターゲットは女性。長年の思いが花開きました/宮﨑香菜子さん(35歳)

現在はブラジャーのほか、ガウンやショーツの商品開発も行っています。「縫製やデザインは、それにたけている人にまかせて、私は表に出て商品をアピールするのが仕事」とやる気十分

昨年12月、女性用下着のネットショップ「KASANE(かさね)」を立ち上げた宮﨑香菜子さん。起業第1号の商品は、本体に装飾用のカップを重ねてつけるブラジャー。素材は滋賀県の長浜ちりめんを使い、装飾用カップには「手描き友禅」や「辻が花染色」を施しています。

「装飾は若手の職人さんたちが手仕事で仕上げたもの。職人さんたちの作品発表の場にもなればとの思いもあって」

学生のころから、いずれは起業をと考えていた宮﨑さん。家業を手伝いながらセミナーに通って経営を勉強していた時期もあったのだとか。そんな宮﨑さんが目をつけたのが、女性用下着だったのです。

「女性は着るものにお金を使うし、下着は必ず身に着けますから」。結婚・出産後も、試作を繰り返して準備を進めてきましたが、子育てをしながらなのでなかなか進まないことも。

2010年に生まれた長女・明日美(あすみ)ちゃんと。妊娠中からこの事業のことを考えていたとか

「それでも夫や家族がフォローしてくれたので、前向きに頑張って来れました」と宮﨑さん。実は、カップに伝統工芸の技術で装飾するというのも、アパレル業界で働いた経験のある夫からのアドバイスだったそう。

宮﨑さんのさらなる夢は、「主婦がやりたい仕事をして、収入を得られる環境をつくる」こと。既に、商品の縫製は研修を受けたママ友に発注するなど、その夢も動き出しています。

会計ソフトの販売→旅行会社で企画・営業

悩んだ末に見つけた、京都と旅行に関われる〝天職〟/榊間(さかきま)淳一さん(32歳)

榊間さんになぜそんなに京都が好きなのかを尋ねると、「〝どこが〟とか、〝なんで〟とか説明できない。好きってそういうものですよね」

会計ソフトなどの販売をする仕事から旅行の企画・営業へと転身した榊間(さかきま)淳一さん。関東出身で、岐阜・名古屋で働いていた榊間さんが、京都の旅行会社への転職を決めたのは、幼いころから鉄道に興味があり旅行が好きだったこと、それから祖母宅があり、大学時代を過ごした京都で働きたいという気持ち。

「前の会社では7年半働きましたが、どうしても仕事を面白いと感じることができなかったんです。それですごく悩んでしまって。本当に自分がやりたいのは何なのか、何が好きなのかを考えたときに浮かんだのが、その2つだったんです」

退職し、京都に本社がある旅行会社を探した榊間さん。そこで出合ったのが昨年1月から勤務している西大路御池の「ビューティフルツアー」です。メディア営業課に所属し、法人営業のほか、旅行の企画や企画した旅行の添乗も行っています。

ツアー客を案内するバスの中では、楽器を弾く場面も。明るい性格で場を盛り上げます

先月からは、企画に参加した京都の街歩きを楽しむ〝まなびとたび〟という新しい商品がスタート。テーマごとに、専門家に街を案内してもらう学びを重視したツアーです。

「京都に本社があるこの会社だからできることを企画したい。やりがい、ものすごくあります!今にして思えば、悩んだ時期も人生に必要だったんですね」と力強く語ってくれました。

思い切って新しい人生の扉を開けた5人。取材をしていて気が付いたのは、その転身の土台に、それまでの経験が生かされていること。一見つながりのない業種であっても、在職中の出来事がヒントをくれたり、気持ちを強くしてくれているよう。
夢をかなえるためには、〝今日の体験〟も大切なんですね。

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