休日、近場で開かれるアートイベントへのお出かけはいかが。ファッション写真や京都の歴史を知る展示など、個性豊かな4つのイベントを紹介します。いろいろなジャンルの芸術作品に、感性を刺激されそう。
室町
蛸薬師
《STAND ON》2015年、ギャラリーほそかわでの展示風景 写真撮影:表恒匡
毎日さまざまな場面で目にする映像。京都芸術センターの展示は、あって“当たり前”と思う映像の存在について考えるきっかけになりそう。
映像作家・林勇気さんの「電源を切ると何も見えなくなる事」では、3つの展示室の壁面やブラウン管に映された映像が、1日3回決まった時間に消されます。
「映像は電源のない環境では存在すらできません」と語る同館の担当者。見ていた映像が消えてしまったとき感じるのは、その“はかなさ”なのでしょうか。あなたの心に浮かぶ思いとは。
岡崎
展示されている作品の一つ「騎牛帰家」
墨の濃淡のみでのびやかに表現されたかっぱの水墨画が並ぶ、「水墨画に描かれた河童たちのささやかな展覧会」。
作者は、かっぱに魅せられ、自身の分身としてその姿を10年以上描き続けている辰馬守拙(たつましゅせつ)さんです。
「余白の美を大切にした水墨画と、日本人にも親しみ深いかっぱを世界に発信したい」という辰馬さん。「みやこめっせ」に、19作品が飾られます。
岡崎
アーウィン・ブルーメンフェルド、アメリカン・ヴォーグ誌、1945年3月号 ©1945 Condé Nast
京都市内各地で展覧会が開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016」。京都市美術館別館では、「Coming into Fashion―コンデナスト社のファッション写真でみる100年 presented by CHANEL NEXUS HALL」が開かれます。
コンデナスト社とは、「VOGUE」などのファッション雑誌を100年以上、発行する出版社。同社が各誌に掲載してきたファッション写真の中からえりすぐりの作品が飾られます。4つの時代に分けて展示されているので、時代ごとの移り変わりも知ることができます。
三条
高倉
森寛斎 京都新名所四季図屏風(部分)(京都府立総合資料館蔵 京都文化博物館管理)
近代化の中で大きく変わっていった京都。当時の人々はどのように感じていたのでしょうか。写真や絵画でその姿を見ることができるのが、京都文化博物館の展示「近代京都の姿 うつされた都」です。
作品は、琵琶湖疏水、四条大橋、円山公園の夜桜、祇園祭など明治期の京都の街や人が中心。おもしろいのは、同じ対象をモチーフにした写真と絵画が並ぶこと。表現方法が違うと、感じ方も異なるかもしれませんね。