おしゃれさんに聞きました 似合う服の見つけ方

“お店に似合う”が 私のルール

トノイケミキさん

「ワンピースは母が30年前に着ていたもの。体にフィットするデザインなので、カーディガンを羽織ってラインをカバー。襟もとはデザインが古かったので、スヌードで隠しました」

「毎日の服選びに悩むことは、ほとんどありません」。「雑貨店おやつ」を営むトノイケミキさん(45歳)がそう語る理由は、「“お店に似合う”をルールに着る服を決めて、いつも同じイメージをキープしているから」

雑貨が並ぶ店内は、かわいくて、とてもおしゃれな雰囲気。 「私の着る服がカッチリしていると違和感があるし、お客さまをもてなす立場としてはジーンズのようにカジュアルすぎてもいけない。考えた結果、私自身も着心地のよいワンピースとスカートがこの店には合うんじゃないかと」

自らセレクトした雑貨や店のイメージに合わせることで、服もトノイケさんの個性にマッチしているよう。
「その場所で、どんな私を相手に発信するか。服はそのツールだと思っています」

自宅や職場などで、どんな自分をアピールしたいかをイメージすることも、似合う服を見つけるヒントになるかもしれません。

トノイケさんから読者へアドバイス
「このタイプは苦手、似合わないという思い込みは、その服を着た自分の姿を見慣れていないせいかも。新しいジャンルの服に挑戦するときは、まず鏡に映る自分に慣れること。似合う服の幅が広がります」

自分の一部のように、しっくりなじむ感覚を大切に

鷲尾華子さん

「コートは自分のブランドのもの。フロッキー素材とファーを使い、デザインには和のテイストをプラス。首もとと足首を見せ、髪もスッキリとまとめて、全体が重くならないようコーディネートしました」

「劇団四季」の衣装部に勤務した後、出身地の京都でファッションデザイナーとして独立した鷲尾華子さん、34歳。モノトーン調のツイードのジャンパースカートで取材場所に登場です。

「私は背が低めなので、ボトムはタイトなものが多いんですが、今日はボリューム感のあるAラインのスカート。こういうデザインのときには生地がポイントに。ツイードのように重厚なものであれば裾が広がりすぎず、服も体のシルエットもスッキリ美しく見えるんです」

フォーマル感のある素材と少しクラシックなデザインが、鷲尾さんが持つエレガントさを引き立てています。

服選びの第一歩である試着にもこだわります。 「実際に動いて、服と体のラインがきれいに見えるかもチェックします。似合うかどうかを判断するうえで大切にしているのは、服が自分の一部のようにしっくりとなじむ感覚。少しでも着心地に違和感があったり、『自分ぽくないな』と感じたら、それは似合わないということ。絶対に買いません」

とはいえ、主観だけに頼るのではなく、カラー診断を参考にしたり、異なるジャンルのファッションのプロと接したり。自分とは違う視点が、似合う服を見つけるヒントになると鷲尾さん。 「こんな色や服も、私に合うんだ!って。新しい自分を発見したような気分になります」

鷲尾さんから読者へアドバイス
上質な生地や個性のある素材を取り入れるときは、そのアイテムをメインと考え、ほかは色味やデザインを控えめに。そうすると、どんな人でも似合いやすくなりますよ」

“好き”を身に着けることが ポイントです

林真由美さん

「ボリューム感のあるパンツは、トップスのベースカラーと合わせることで縦長のラインを強調。これなら、背が低い私もスッキリと着ることができます。セーターのアクセントカラーのオレンジで、バッグと口紅もコーディネートしました」

ヘアメイクスタイリストで、40歳代の林真由美さんが代表を務める「華林」。オフィスには色があふれています。

「色が大好きで、ファッションには必ずビビッドな色をプラス。『この色のものを身に着けたい』と思ったときは、どんなデザインの服なら、その色が似合うか試してみます。例えば、Vネックやタートルといった襟もとの開き具合でも印象は変わります。顔回りに似合う色を持ってきたうえで、取り入れたい色のアイテムを合わせることも。素材や小物、メイクなどの工夫次第で、どんな色でも似合ってくるものです」

テイストや柄にもお気に入りがいっぱいある林さんにとって、“好き”が服選びのベースとのこと。

「基本的には、その日の気分やなりたいイメージに合わせてチョイスします。好きな服で、自分のキャラがばっちりキマるとテンションも上がります。自分をハッピーにしてくれる服は、自然と似合う雰囲気もつくってくれると思っています」

林さんから読者へアドバイス
「服を選ぶときは、誰もが自分の“好き”をベースにしているもの。似合う服に迷ったら、好きな芸能人やあこがれの女性を思い浮かべてみて。そのキャラクターやイメージから、なりたい自分に合う服が見つかるかもしれません」

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