トラブルに巻き込まれないために持っておきたい〝警戒心〟。とはいえ、誰にでも、何にでも警戒していると、さまざまなチャンスを逃してしまうことにも…。大切なのは状況の見極め方。例えばこんなときは、要注意です!
面識のない人がお金を要求してくる〝特殊詐欺〟の電話は、警戒心が必要な場面の一つ。京都市文化市民局くらし安全推進部安心安全推進運動担当部長・京都府警視の小林明彦さんは、「オレオレ詐欺のほか、最近は〝還付金詐欺〟も増えています」と話します。
還付金詐欺は、払いすぎた年金や保険料などを返金する名目で、区役所などの職員を名乗る人物からまず連絡がくるそう。
「返金のための手続きをしてほしいと現金自動預払機(ATM)に誘導し、操作方法を電話で指示するという流れが定番。入金してもらうはずが、気が付けば自分がお金を振り込んでいるのです。『今日中に手続きしないといけない』などと急がせるのは、考える時間を与えないため。還付金を受け取る場合、ATMでの手続きを求められることはないので惑わされないでください」
行政職員に続いて、銀行職員をかたる人物が電話をしてくることもあるとか。
「複数の役割の人が登場する、〝劇場型〟と呼ばれるパターンです。臨場感が感じられ、相手のペースに巻き込まれてしまいがち。偽の銀行職員がキャッシュカードを受け取りに来ることもあります。その際、『更新が必要です』と言ってカードをだまし取るといった手口も増えています」
もしこういった連絡がきたら、一度電話を切り、行政の担当窓口にあらためて問い合わせるのがおすすめ。
「ただし、電話をかけてきた人物から教えられた番号に連絡しても意味がありません。担当窓口を調べ直して電話をしましょう」
オレオレ詐欺などの不審な電話に関しては、犯人が声を残したがらないため、常に留守番電話に設定しておくのも有効です。
「家族間で合言葉を決めておくのもいいですね。お金を要求されたら、必ず周囲や警察に相談を。単身の高齢者の被害率も高いので、『こんな詐欺があるから気を付けて』『何かあったらいつでも言って』と、地域でも声掛けをしてもらえたらと思います」
焦って判断せずに、一度電話を切って
誰かに相談するといいんですね
「ネットショッピングの詐欺サイトには十分気を付けてください」とは、京都市消費生活総合センターのセンター長・柴田洋志さん。クレジットカードなどを使って気軽に商品を買えるネットショッピングは、便利な半面、トラブルも増えています。
「入金しても商品が届かなかったり、ホテルや航空券の予約ができていないといったトラブルが起こります。一般的な販売価格より極端に安い場合や、他の店では完売しているような限定商品が販売されているときは要注意です」
詐欺サイトにはほかにも特徴があるそう。
「不自然な日本語表現や個人名の振込先口座が特徴です。運営会社の住所、電話番号、返品に関する記載の有無も確かめましょう」
個人情報漏えいの被害を防ぐための備えも大切とのこと。
「個人情報を入力する際のURL(※)は、セキュリティーが強化された『https://』から始まっているかチェックしてください。クレジットカードは不正使用にすぐ気付けるように、利用状況を毎月確認するといいでしょう」
契約内容を勘違いしていてトラブルが起こる場合も。
「注文したときの画面やメールは必ず保存すること。困ったことがあれば、地域の消費生活センターに相談を」
注意事項を把握した上で、うまく活用していきたいですね。
※情報の場所を示す、インターネット上の住所のようなもの
文章表現や必要情報の記載の有無が、
危険なサイトか判断するポイントに
なるのだと分かりました