メンテナンスの裏側、探ってみました



ごみを流し、吸い上げる、2台の車が活躍

下水道管

右側が高圧洗浄車。黒いホースからは水が噴射します。流されたごみなどを、左側のバキュームカーが吸引

堀川今出川の北側の路上でスタンバイしていたのは、2台の作業車と数人の作業員。これから、マンホールの下にある下水道管のメンテナンスが行われます。

「下水道管の詰まりの原因となる、ごみや土砂を取り除いていきます」と、京都市上下水道局下水道部きた下水道管路管理センター管理係長・平野義幸さん。

メンテナンスには、それぞれ別の役割をする2台の車が活躍。一つはホースを備えた高圧洗浄車です。早速、マンホールの中にホースが挿入されました。 「ホースは下水道管の上流側に入れます。先端からは水が噴射するので、ごみや土砂は下流へ流れる仕組みです」

流されたごみを水とともに吸い上げるのは、もう1台の車・バキュームカー。こちらも同じマンホールに吸い込み口を入れ、上流から流れてきたごみなどを吸引します。時々聞こえてくるのが、〝ガコガコ〟という大きな音。これは土砂を吸っている証だとか。

清掃が終わったら、作業員が地下に下り、下水道管を目視でチェック。懐中電灯で管内を照らし、問題がないかを確かめます。

清掃前の下水道管。ごみがたまった状態です

ごみなどを取り除いた、清掃後の下水道管

作業員がマンホールの中に入って最終確認。懐中電灯で下水道管内を照らし、問題がないかを調べます

同部管理課技術係課長補佐・木下孝雄さんによると「こうした作業を日常的に実施しているんです」。計画的に区域を分けて、町中の下水道管のメンテナンスをしているとのことでした。

ポンプを動かし、振動数値を確認

久御山排水機場

地下の川の中にポンプを備えた、久御山排水機場。建物の奥には宇治川が流れています

洪水を防ぐために設けられている排水機場。聞き慣れない名前ですが、国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所が管理する施設が、京都府内に4カ所あります。

そのうちの一つが、京阪「淀」駅の東側に位置する、「久御山排水機場」です。建物があるのは、宇治川に流れ込む支流の上。地下には川の水を吸い上げるための、直径3.4mの管状のポンプが設置されています。

メンテナンスは年8回。豪雨時に備え、ポンプがきちんと動くかを調べます。案内してくれたのは、同事務所の谷口尚典さん。建物1階は機械が並び、工場のようです。

「こちらにはポンプのエンジンなどの機械を設置しています。作業は5人程度で実施。3台のポンプを1日かけて点検します」(谷口さん)

ポンプのエンジンの計器を読み取る作業員。3台それぞれにエンジンが備えられています。こちらは最も古く、1973年に作られたもの

羽根車の回転軸を確認。「音や振動で異常が分かります」(谷口さん)

除塵機(じょじんき)の動きを点検中

ポンプ作動時特有の〝ガガガ〟という地響きのような音が響く中、圧力の数値などに異常がないかを点検。計器を読んで記録していました。エンジンの速度や吸水量などの調整レバーも確認。細かな切り替えができるかをチェックします。

ポンプ内の羽根車の回転軸の様子も見る谷口さん。振動の具合などもポイントだといいます。

建物の外にも作業員の姿が。ポンプで水を汲み上げる前にごみを取り除く除塵機(じょじんき)の動きを見ていました。

メンテナンスが行われているだけあり、7月、9月の稼働時も問題なく機能したそうですよ。

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